2019年3月12日火曜日

浮島の肺魚エチオピクス漁 その8

 最後の仕掛けチェック。朝イチ、オヤジと浮島へ向かう。まず、数個目の穴でクラリアスがヒットしていた!


クラリアスのすぐ後、続けざまに本命エチオピクスもゲット!やっぱり、いままで捕れたのはどれも似たようなサイズで、オヤジの言った通り、デカいのはなかなか現れてくれない。


最初の50本をチェックし終える頃には、手元にエチオピクスが3匹、クラリアス1匹。新場所のこの浮島、調子良い!


 ここからは、残り50本をチェックしていく。2匹は掛かってるだろうと踏んでいたけど・・・結果は3ヒット(つっかえ棒の茎が水中に引きずり込まれてた)全バレ、ノーキャッチ・・・。ケニアのナイルパーチ狙いで使っていたルアー用のシングルフックを流用していたんだけど、どうもこの針(海用の、魚に優しいバーブが小さい仕様)が良くない模様。

 オヤジの概念で言うと「フックはバーブ(かえし)が全て」。「刺さり」に関しては・・・アフリカの魚ってキチガイが多いから、そこまで神経質にならなくてもなんとかなる。結局、現地で売ってる中華製のフック(アイでかい、バーブごつい、刺さりはちょっと研いだら上等)が、アフリカの大型魚狙いの延縄・置き針やる上では、総合点高いなーと思った。



 今回はエチオピクス序章の旅、ということで!次は雨期に、特大級を捕りに行こう。ひとりだとシンドイので、次回は誰かと一緒に行きたいです・・・笑


(2019春、エチオピクス編 終わり)

2019年3月8日金曜日

浮島の肺魚エチオピクス漁 その7

 翌朝、置き針を確認しに浮島へ向かった。やっぱり、ナマズと違って肺魚の食いは良くないようで、死んで白くなったシクリッドがそのまま残っている針ばっかり・・・。それでも、昨日30本近く針を追加したかいあって、一匹だけ、エチオピクスが掛かっていた!


今朝はこの一本のみで終了。昼過ぎまでオヤジのウチで休憩してから、バイクにニケツして、隣町まで餌のナマズを買いに行った。どういうわけか「釣り餌屋さん」的な商売をしている人がいて、軒先に穴を掘って作った水たまりでナマズが大量にストックされていた。


200匹を約600円で購入・・・。今日の夕方餌をつけて、明日の朝にチェックして、今回のエチオピクス漁は終了する。今日、最後にさらに針を追加して、合計100本置き針を仕掛けるつもり。オヤジが僕にナマズを必要量の倍、200匹買わせたのは・・・残り100匹を自分で使うためだろうな。まぁ、安いし、世話になってるし、何も言わなかったけど・・・笑。


夕方、いつもとは別の浮島にさらに50本置き針を追加し、合計102本をセット完了!とにかく疲れ果てた。最後にデカいの、来てくれ~(続く)。

2019年3月7日木曜日

浮島の肺魚エチオピクス漁 その6

 昨日置き針を仕掛け終わった時点で、餌のナマズは数十匹残っていたけど、オヤジがナマズの入ったバケツを船に放置した結果、夜の間に盗まれてしまった・・・。「今日はナマズは用意できない。まずは餌調達からだ!」夕方、オヤジの弟に刺し網を仕掛けてもらって、30分ほど待って引き上げると・・・


凄い数のシクリッドが掛かってる!この湖に生息している肉食魚はクラリアスとエチオピクスくらいで、水中はシクリッドの楽園らしい。網に掛かってくる数は多いけど、確認した限り、一種類のみ。


「餌は、ナマズがベストなのは間違いない。この魚はナマズには劣る・・・でも、チャンスはある」と、オヤジは言う。餌にするシクリッドが手に入ったところで浮島に上陸した。穴を周り、餌をつけていく。置き針も新たに作ったものを30本追加する。

 
 ナマズと違ってシクリッドは針に掛けるとすぐ死んでしまう。水面に留めておいても意味はないので(活ナマズだと、ピチャピチャと水面で泳ぎ続けて、エチオピクスを誘う)、今日は置き針のロープを調整し、水面から一ヒロくらいの中層に餌を沈めていった(続く)。

2019年3月5日火曜日

浮島の肺魚エチオピクス漁 その5

 エチオピクスを2本捕り、仕掛けを全てチェックし終えて一旦村に帰ってきた。一匹はオヤジが村人に売り、もう一匹は自分たちで食べることに。


オヤジがパンガナイフを使い、手と足のような4つのヒレを切り落として、生きたまま腹を裂き、内臓を取り出していく・・・普通の魚と違って、僕には、肺魚には表情があるように見えて・・・オヤジが村人たちと楽しそうに話をしながら片手間に捌いていくのを、傍でじっと見ていた。他にも、オヤジの友達が網で捕ってきたデカいテラピアやクラリアスもゴロゴロと運び込まれてきた。


「マンバはマジで美味いぞ!」とオヤジや村人たちは嬉しそうに言う。クラリアスを食いたいところだったけど、最初のマンバは食べてみようと思った。内臓を取ってブツ切りにして、村のお母さんが料理する。ボイルして、ローカルブイヨン的な調味料と塩で味付けしただけと思われ・・・(しかも、調味料をケチってるのか、相当薄味・・・)。


一言でいうと「泥の味」・・・なぜアフリカは、全てを煮込み(というか、茹でただけ)にしてしまうのか・・・楽で早いからだろうな。肉質は悪くなくて、から揚げにしたら普通に食べられるとは思う。「皮も全部食え!」・・・うぉえぇ、皮はもっと泥臭いなぁ。鱗(エチオピクスって結構しっかり鱗あるんだね)も残りまくりで、口の中が辛い。


そしてこの個体、卵を持っていた。「卵も美味いぞ!」と村人たち。色は、ガーパイクの卵とそっくり・・・ガーの卵は有毒で、知らずに食べた友人から酷い経験をした話を聞いていて、この卵を食べるのは結構躊躇した。またこのひとたち、知らずに「美味いぞ!」と言い切ってるんじゃないだろうか、と・・・。

けど、僕のお皿にはガッツリと、全体量の半分くらいの卵が盛り付けられていて、一気に食べたけど・・・「身とは比べ物にならないくらいの、濃厚な泥臭さ・・・」身体に異常はなかったので、毒はない模様。もう二度と食べたくない。


 その場に居合わせた村人たちと、エチオピクス一匹を食べきった。「お前のおかげで美味いマンバが食えたよ。ありがとう!」と村人たちに感謝される。夕方に置き針を追加するため、昼食の後、また仕掛け作りに取り掛かり始めた(続く)。

2019年3月3日日曜日

浮島の肺魚エチオピクス漁 その4

 翌朝仕掛けを確認しにいってみると、最初の穴で餌のナマズが傷ついて死んでいた。「これはマンバが食いついたけど、針にはかからなかったんだ!」とオヤジは言う。「そうも考えられるけど・・・うーん・・・」と、正直なところ僕は半信半疑。


「50本仕掛けたから、1、2匹は掛かっているぞ!」とオヤジは言うけど、ここはアフリカ(笑)、全然楽観視はしていなかった。その後も置き針をチェックしていくと、7、8個目の穴で、仕掛けを引っかけてあった‘‘横棒’’の茎が、水中に引き込まれている・・・うわ、本当に掛かってるぞ!!


本命のエチオピクスだ!仕掛けを手繰ると首を振って抵抗する。この種にしちゃ全然小型だけど、パワーが結構凄い。


水面まで引っ張り出して、オヤジがナイフで頭を叩いてから、エラの穴に指を突っ込んで捕り込み成功!こんな早々に結果が出るとは思ってなかった・・・!


オヤジの予想は当り、さらに仕掛けのチェックを進めていくと、また掛かっていた!最初のヤツよりちょい大きい。


 オヤジの予言通り、50本仕掛けを入れて2匹ゲット。「今は乾季だから数もサイズも出ない。雨期はこんなもんじゃないぞ!」と断言するオヤジ。ウガンダにやってくる前、ケニアでは「釣れるぞ!」と断言されて、ひとつも良い方向に進んだことはなかった。でも、このオヤジは間違いなくホンモノだ。確信を持って断言している。今回特大クラスは出ないかもしれないけど、あと2日、オヤジと共に仕掛けを入れてサイズアップを狙ってみようと決めた(続く)。

2019年3月2日土曜日

浮島の肺魚エチオピクス漁 その3

 「ワイヤーは餌のナマズの動きを悪くするから駄目だ」とオヤジが言い切る。最寄りの町まで出かけ、言われた通り中華製のタコ糸を購入。苦労して作った50本のワイヤー仕掛けをバラシて、全てイチから作り直した。


夕方、オヤジと浮島に上陸した。オヤジは長靴を履いているけど、僕はサンダル。すいすい進んでいくオヤジになんとかついていくけど、ふわふわ揺れる地面をたまにズボーッと踏み抜いて、一気に股まで湿原に吸い込まれる。


泥、湿気、草、虫、辛いことがたくさん、人が入る環境じゃねぇ・・・。


 北海道の穴釣りでもやる「T字釣法」。木の枝をつっかえ棒にして、真冬の凍った湖で、夜通しの置き針でトラウトを捕る。「T」の‘‘横棒’’が木の枝で、‘‘縦棒’’がその枝に結んだ糸、その先にオモリと針がある。


オヤジがやってる肺魚漁は、それの究極進化バージョン。水生植物の茎をクッション性のあるつっかえ棒として、‘‘横棒’’にする。


・・・他にもキモが何点もあるけど、とにかく巨大なエチオピクスが掛かろうと、問題なし。オヤジが研究して突き詰めて、ローカルで共有しているらしい。


オヤジは穴を300か所近く所有(?)していて、うっそうとした浮島のどこに穴があるのかを、完全に把握していた。しばらく使っていなかった穴をパンガナイフで切り開いて空間を確保し、僕が作った仕掛けを設置していく。何度も浮島に足を取られながらなんとかオヤジについていって、初日は50本仕掛けて終了。


明日、エチオピクスは掛かってるだろうか・・・?(続く)

2019年3月1日金曜日

浮島の肺魚エチオピクス漁 その2

 イカした肺魚オヤジ曰く、「餌はナマズだ!」。オヤジが町で買ってきたというナマズを見せてもらうと、クラリアス系の小ナマズ。小型種みたいでアカザみたいで可愛い。空気呼吸もするこのナマズ、とにかく生命力が強くてキープもラク。生き餌にはもってこいだ。


「ヌルヌル滑るから、これがないとダメなんだ!」と、生臭いボロボロのセーターの切れ端を、手袋替わりに装着するオヤジ。これでナマズを掴んで、背中に針を刺す。生き餌の扱いも、針の刺し方も、アフリカ人とは思えない繊細さ。アフリカに諦めている部分は大きいけど、このオヤジは他とは違うぞ・・・!


因みに、ケニアでは延縄でナイルパーチを狙う爺さんに世話になったけど、「どーやってもこれ刺さんねーだろ!」というような、鈍ってる、というか「針先がもう、なくなってる」中華性の極太フックを無理やりテラピアにブスーッっとさして、ポイっと流していくだけ、とにかく雑だった・・・(でも、アフリカの魚もそこまで繊細じゃなくて、そんなんでも釣れちゃったりする・・・可能性を極限まで下げているのは間違いないけど)。


過去4回行ったコンゴは全てにおいて、ケタ違いに酷くて、「アフリカだから。仕方ない。」と諦めている部分は大きかった。だから、今回初めてアフリカで「ホンモノ」の釣り師に出会えたことが、驚きで、嬉しかった!(続く)