2020年4月23日木曜日

トローリングにはラパラ

 アフリカのラテスを狙って、ツルカナ湖とタンガニーカ湖で合計3週間ほどトローリングをやってみて、ようやく色々掴めてきた感が。今回のタンガニーカ旅を経て理想のルアーセレクトが自分の中でまとまったので、新しくルアーを買った。まずはエックスラップマグナムの20と30を追加。こいつのトローリングでの安定感は異常!


続いてCDマグナム14と18。手持ちのは牙魚にガキガキにされたり、トローリングで岩場を引きすぎてボロボロになってしまったモノばかりだったので、この機会に追加。キャスティングで狙っていく分には当たり外れはないけど、トローリングで引っ張るとなるとCDマグシリーズは結構個体差が出てくる。暖かくなったら近くの川でスイムチェックしてこよう。


さらにエックスラップマグナム40も追加した。「40」というのは、40フィート潜るよって事。ラインもリーダーが130lbとか相当太いものを使うのでそこまではいかないかもだけど、10m+はいってくれるでしょう。


今回追加したCDマグナムには、ラパラではお馴染み「ケツ縛りチューン」を施した。


これらに手持ちストックのスーパーシャッドラップを2個追加して、3m~10m+の岩場を、水深に応じてルアーチェンジして探っていく感じ。カラーは全て膨張色、派手系で統一、エックスラップマグナムシリーズはリップに色が付いてるのもイイね。今自分の中で熱くなってるアフリカラテスはもちろん、今後トローリングで狙っていくアイツやアイツを考えても、これでベースはバッチリ整っただろう(^_^)


世界はコロナでさらに遠くなっちゃったけど、いつでも動き出せるように体制を整えていこうと思います。釣り旅できる未来が、早く帰ってきたらいいな。




2020年4月11日土曜日

タンガニーカのラテスを追う その6

  納得のバンパーを手にしたところで、僻地滞在は残すところあと3日。「もっとデカいヤツを!」ということで、最後まで全力を尽くしていく。移動してきたエリアでも釣れてくるアベレージは5、60cmといった感じで、たまたま一本良いのが出はしたけど、日に日に反応が悪くなっていった。夕マヅメに小型が一本しか出なかったところでこちらを見切って、元いた広大なシャローエリアに戻ることにした。


 朝から移動を始めて、昼前に釣れるゾーンに差し掛かってしばらく流していくとドンっときた。それ以降もホットスポットのシャローをトローリングし続けたけど反応があったのはこの一匹のみだった。やっぱり日が高い内は反応が悪い。


 さて、今日を含めて釣りはあと2日。気持ち的には少し余裕ができたことだし、「朝&夕マヅメでトローリング、昼間はガチ小物釣り」といった感じで、無駄なく洗練したプランで過ごしてみることにした。まずは朝マヅメ終わりの船からのシクリッド釣り。ずっと気にはなっていたけど手を付ける余裕がなかった。ワクワクしながらタックルを組む。この釣りのために持ってきた、MX-1&スライドグリップ(プロト)に、出国間際に慌てて追加購入してきたナスキー500の組み合わせ。


探っていくのはボトムが目視できる数メートルのところから、水深30mまで。魚探は水深を測るためだけに使う。地形など一切考慮せずに適当に場所を決めても、ボトムまでサビキを沈めると釣れまくる!




タンザニアでもちょこっとやって色んな種類が釣れたけど、それ以上の釣れっぷり。サビキの針全てに掛かってくることもあった。湖底はシクリッドだらけなんだろうなぁ。


シクリッドがヒットして、巻き上げてくると「ジィィィーーー!!」っと突然ドラグが悲鳴を上げる。犯人はクピ。こいつは浅場から深場まで、どこにでもいるな。


群れに当たったのか次々クピがヒットしてくる。MX-1のリールモードで遊ぶには良い相手だけど、持ち込んだサビキの糸が弱すぎた。歯に擦れたりしてブチブチ切られてしまう。貴重なサビキ仕掛けが次々ダメになっていく・・・。


クピを数匹キープして、船上で昼食にする。僕が釣りをしている間にトーマスが火を起こし(ローカルの七輪を持ち込んで、船上料理)、炭火でじっくり焼いて、米も焚いた!タンガニーカの焼き魚定食。久しぶりのコメが超嬉しい(^^)


やたら引くぞ!と思ってゆっくりゆっくり上げてくると、なんとラテスの幼魚がトリプルヒット(笑)ランディングで一匹外れて、ダブルキャッチ。なんか、バンパーと雰囲気違うか?このサイズだと、ぱっと見わからない。


最後の最後に釣れた、デコっぱちのフロントーサ!タンザニアでは小型のが3匹釣れたけど、町の市場で大きな個体がまとまって水揚げされているのを見て、ここで釣っておきたいと思ってたのだ。


釣れたのはこの一匹だけで、数は他のシクリッドに比べるとこの辺りではそんなに多くないのかな。超嬉しい一匹!


そして、久しぶりに「オフィス」に戻った。ゲイ君の上司たちが新たにやってきていて、「ここに滞在するならカネを払うのだ」というので、数千円を納めてキャンプ地を確保した。・・・毎日、食事は魚とシマのみ(村で買い込んだバナナと玉ねぎは全部サルに食われてロスト)、調味料は塩だけ、水分補給はタンガニーカ湖の水オンリー、そして慢性的に睡眠不足という生活が続いていたためか、ここのところ常に身体がめちゃくちゃダルい。「でも、俺に残された時間は少ないんだ」と自分を奮い立たせて、オフィスの前でも陸っぱりで、休むことなく竿を振った。


同じくMX-1の「リールモード」で、これまで手を付けていなかった小型ルアーで岸際を探る。Dコンパクトで岸際を打っていくと、婚姻色バリバリのシクリッドがヒット。


テラピアや産卵モードのシクリッド達が群れているけど、ルアーへのそんなに反応はよろしくない。釣れるのは、最初に釣れたのと同じ種類のシクリッドばかり。でも、楽しい釣りを発見した。大きな岩陰にラテスの幼魚が群れで居ついていて、Dコンを通してフォールさせると次々食ってくる!





手のひらサイズ~、ちょっとしたセイゴサイズまで(見た目もヒラセイゴみたい)。このサイズになってくると、MX-1リールモードで遊ぶと、すごく楽しい!


チビラテスに夢中になってキャストし続けていると、「ズガーン」とクピがすっ飛んできてヒット。しかもなかなか良いサイズ。岩に擦れないよう、ロッドを高く掲げて、なんとかいなして捕り込んだ。


 そして本命の方はというと超高活性!朝マヅメはあまり反応が良くなかったけど、夕方になると次々ヒットしてくる。


思うところあってスーパーシャッドラップを封印してCDマグナム一辺倒で流していくと、少し流れが変わったかも・・・?



そこそこサイズを2本捕って、最後の最後までやりきって、この旅は終了となりました。


この旅最後の一匹。ほんとバンパーは個体差が激しい。体表のヌル感とかも、サカナによって違ってくる。こいつは居つきの個体だろう、かっこいい!


でも、最終日の夕マヅメ、本当の最後の最後に隊員が握る竿に来たヤツ。僕が竿を受け取る間もなく一瞬でノされて「パァン!」と、メインPEをブチ切っていった(手首を返されて竿が一直線になり、糸が湖底の岩に擦れた)。手練れのウェイビーおじさんではなく、この日イレギュラーに同船したトーマス友人が竿をホールドしてたのが、負けた原因だな・・・「ビッギフィーッシ」ってドヤ顔されて(大物の一発がどれだけ貴重か理解できていない・・・仕方ないんだけどね笑)、殴りかかろうかと思った(笑)。やっぱり、まだ終われないわ。


 10日間の釣りを終え、夜通し湖を走って町に戻り、隊員たちに見送られて早朝の乗り合いバンに乗って再びタンザニアへ。サブターゲットを狙って1週間ほど旅を続けたけど清々しいほどにボコられて終了でした。


毎日修行のようなトローリングに付き合ってくれたトーマスとウェイビーおじさんには感謝しかない。また彼らとこの湖で夢を追おう。この地に帰るのが楽しみだ!

タンガニーカのラテスを追う おわり

2020年4月8日水曜日

タンガニーカのラテスを追う その5

 「オフィス」を拠点にしてからはポイントを広大なシャローフラットに絞って、ひたすらトローリングを続けた。日に日に僕らチームの団結力は上がっていって、それに伴い釣果も伸びていったけど、相変わらず数は釣れてもサイズが出ない。アベレージは60cm前後と言ったところ。


個人的に、ナイルパーチと今回狙っているタンガニーカのラテスに関しては、サイズに拘りがある。デカいやつ、満足できる一匹が欲しい。反応があるのは基本的にマヅメ時のみで、毎日安定して平均5本以上は釣れる。でも、それだけ釣れても大型は混ざってこなかった。


 「普段、デカいやつはもっと深場にいるんだろうか?」そんな風に思い始めた頃、「デカいのは3月になれば産卵のために浅場に上がってくる。普段はディープなんだ。だからケンゴ、もっと沖をトローリングしよう」とウェイビーおじさんが提案してきた。彼はある理由から、タンガニーカのラテスに関して確かな知識を持っている(だから町を出る間際、急遽スカウトした)。そんな彼の意見もあって、違う景色を求めて大きくエリアを変えてみることにした。


水深20m、30mエリアにもラテスはいるんだろうけど、今回の装備では手も足も出せない感じ。切り立った崖がそのまま湖に突き刺さっているような景色の中、水深10m前後のゴロタ場がポツポツと点在しているエリア。そんな場所をかいつまんでチェックしていくと、ちゃんとバンパーは釣れてくる!サイズはともかく、大きく移動してきた初日に結果が出でホッとした。


新場所での2日目、早朝4時前から流し始めると真っ暗なうちにドンっときた!


「ちょっと、うんこしてくるわ」と言って船を砂浜につけて、丘の向こうへトーマスが消えていった。周りは激シャローで砂浜の岬の先端に集中して岩がゴロゴロしていている、クピの絶好ポイント。バンニェイロを遠投して、バシャバシャ引いてくると「パッカーン」と4連発!


「丘の向こうに、ライオンが3頭もいたぞ!」と、トーマスが走って帰ってきたところで(笑)トローリングを再開すると、短時間で2本追加した。魚は濃いし、このエリアも間違ってはないようだけど、やっぱりバンパーは小型ばかり。デカいのはどこにおるんや・・・。


エンジントラブルでほぼほぼ丸一日がつぶれて、新場所への移動の判断が少し遅れたわけで。決断して移動してきても小型が連発。僻地滞在日数も残り少なくなってきて、僕は焦り始めていた。

いつものように夕方に小型を数匹釣って、日没まであと僅かという時。一番アツいタイミング。遠くから「レンジャー」のスピードボートが近づいてきて「とまれ!パーミッションを見せなさい」・・・「くそ、よりによってこのタイミングで来るなよ!」・・・30分ほど拘束された後、「もうこの時間は釣りの許可がされていない。このままキャンプ地へ帰りなさい」・・・パーミッションを確認すると、確かに600to1830と書かれている・・・(全く把握していなかった、笑)。すると、トーマスがキープしていたクピをレンジャーのボートに乱暴に投げ入れた。「オーケー!!」といって、彼らは笑顔で去っていった。

「あいつらは、もう俺たちとフレンドになった。だから、ケンゴ、ノープロブレム。竿を出せ」・・・トーマス、あなたは最高だ(笑)。レンジャー達と反対方向に進み、岬を回わり込んだところでルアーを投入した。ウェイビーおじさんにも協力してもらって、竿は2本出し、どちらもスーパーシャッドラップ。


 「ストーン!!」流し始めて数分、ウェイビーおじさんが叫んだ。彼が握る竿はノされていて、ズズズーっとドラグが滑り続けている。焦って竿を受け取ると、モゾモゾと動き出した。「ストーンじゃない、これ魚だ!!」僕が竿を握ってからは大した抵抗もせず、ヌーッと浮いてきて、震える手で下アゴを掴み、一気にボートに引き抜いた。「やっっったぁぁ!!!ビッグ、バンパー!!」


この種にしちゃ別に大きくはないけど、この一匹までの過程には、僕らにしか作れない物語があった。トーマスとウェイビーおじさんと抱き合って喜びを爆発させる。最高!


MV65 バンタムXG
VAMOS(プロトのモデル)5号+80lbリーダー3m
スーパーシャッドラップ
ストロングシングル7/0イチカワ


幸福感に包まれながら、夜空の星を見上げながらキャンプ地へ戻る。アフリカ旅は辛いこと、上手くいかないことがいっぱいあるけど、ほんとにたまにこんな最高な瞬間がやってきたりする。やめらんないね。帰り道、トーマスがタバコをくれた。普段吸わないけど、めちゃくちゃ美味かったなぁ。

タンガニーカのラテスを追う その6に続く

2020年4月7日火曜日

タンガニーカのラテスを追う その4

 翌朝、釣りに出ようと船着場に向かうと、僕らの船が思いっきり沈んでいた。「ヒポ(カバ)が夜にやってきて、船に覆い被さったんだ」とトーマスが言う。野生動物の行動は予想つかない。トローリング中も船の真下に沈んでたりしてビビってたけど、カバは危なすぎる。


幸いガソリンが入ったドラム缶は無事だったけど(空のドラム缶は船から放り出されてて、ボコボコにされてた)、エンジンがかからない。自分はメカニックな事は全くわからないが、トーマスは難しい顔をしてる。「ケンゴ、プロブレムだ。スペアのパーツを町まで買いに行かなければならない」と…。ゲイ君がバイクを持ってて、それを借りて、トーマスがオフロードを走って町まで向かうことになった。


「今から向かえば、15時には帰ってこれる。夕方は釣りに出れる。」というけど…絶対そんなうまくいかないだろうな。トーマスはこれまで出会ったアフリカ人の中でトップクラスに真面目な男だったけど、時間の逆算ができないのは全アフリカ人共通だ。自分も同行すべきか迷っていると、「トラストミー」と、片方レンズが入ってないサングラスをかけて力強く言い切るので、お金を渡してお使いを頼むことにした。笑


トーマスとゲイ君が2人乗りして旅立っていって、残された僕とウェイビーおじさんは食料調達に取り掛かった。キャンプ地の前は大きなワンドになっていて、魚たちのスポーニングエリアになっている。これまでトローリングで忙しくて小物釣りに時間を割く余裕がなかったので、この機会に陸っぱりで竿を振ってみることにした。多分、今日はトローリングに出られないだろうし…。

まず手始めにバンニェイロを大遠投して、広く水面を探っていく。ホントの一投目で「パッカーン!」と水面が割れた!婚姻色バリバリのクピ。


予想して持ってきたけど、想像以上にバンニェイロがばっちりハマってチェイス&バイトが連発!3本釣って、乗らなかったりバラしたり。


スレて反応がなくなってきたところでミノーにチェンジ。「ガッッ!」と一気に引ったくられて、宙返りして狂ったように跳ねまくる。「うわ、タイガー!」予想外の獲物にちょっとビックリ。


タイガーフィッシュにラパラのミノーを破壊されたので(ケツが裂けました)、Dコン85にチェンジ。15分に一匹ペースで、クピが釣れてくる。魚、豊かすぎる!アフリカにも癒しの釣りがあるんやね。


「ギラッ」と銀色に光り、あれっ?と思いつつ寄せると、バンパーの幼魚!小さい内は、こんなとこにいるんだ。でも、雰囲気が少し違うような気もする…。こいつはそっとリリースした。


「キングフィッシャー!まるで、刺し網みたいだ!」と横で見てたウェイビーおじさんもニッコニコ。これだけあれば開いて燻製にして、家族のお土産分も充分だね。


クピを焼いて昼休憩。日陰で昼寝して、15時頃からまた竿を出した。やっぱり、奴らは帰ってこないし…。いくらか涼しくなってきてクピの活性が上がるかと思いきや、夕マヅメはイマイチ反応がない。Dコンでクピ数匹を追加したのみ。



チタラを巻いてみると、グンッときて銀鱗が水面を舞う!これは、バンパーの稚魚っぽいね。ワンドの浅場に結構数いるようで、数匹釣れてきた。



タンガニーカ湖、豊かだなあ。17時過ぎ納竿にして、お腹が空いたので夕飯の支度に取り掛かろうとした時、トーマス達が帰ってきた!「遅くなってすまない、村へ向かう途中でタイヤがパンクしたんだ…」僕が多めに渡したお金を使い切るまで、酒やタバコ、マリファナも買ってきてたけど、大目に見よう。「エンジンを修理して、釣りに行こう!」


…18時半ごろから21時前までトローリングしたけど、小型が3本のみ。やっぱり、日の入り前後が一番反応良い感じだな。大雨が降り出してずぶ濡れになってキャンプ地に戻った。そろそろ僻地滞在も折り返し地点、良いサイズが一本欲しい。


タンガニーカのラテスを追う その5に続く