2020年4月7日火曜日

タンガニーカのラテスを追う その4

 翌朝、釣りに出ようと船着場に向かうと、僕らの船が思いっきり沈んでいた。「ヒポ(カバ)が夜にやってきて、船に覆い被さったんだ」とトーマスが言う。野生動物の行動は予想つかない。トローリング中も船の真下に沈んでたりしてビビってたけど、カバは危なすぎる。


幸いガソリンが入ったドラム缶は無事だったけど(空のドラム缶は船から放り出されてて、ボコボコにされてた)、エンジンがかからない。自分はメカニックな事は全くわからないが、トーマスは難しい顔をしてる。「ケンゴ、プロブレムだ。スペアのパーツを町まで買いに行かなければならない」と…。ゲイ君がバイクを持ってて、それを借りて、トーマスがオフロードを走って町まで向かうことになった。


「今から向かえば、15時には帰ってこれる。夕方は釣りに出れる。」というけど…絶対そんなうまくいかないだろうな。トーマスはこれまで出会ったアフリカ人の中でトップクラスに真面目な男だったけど、時間の逆算ができないのは全アフリカ人共通だ。自分も同行すべきか迷っていると、「トラストミー」と、片方レンズが入ってないサングラスをかけて力強く言い切るので、お金を渡してお使いを頼むことにした。笑


トーマスとゲイ君が2人乗りして旅立っていって、残された僕とウェイビーおじさんは食料調達に取り掛かった。キャンプ地の前は大きなワンドになっていて、魚たちのスポーニングエリアになっている。これまでトローリングで忙しくて小物釣りに時間を割く余裕がなかったので、この機会に陸っぱりで竿を振ってみることにした。多分、今日はトローリングに出られないだろうし…。

まず手始めにバンニェイロを大遠投して、広く水面を探っていく。ホントの一投目で「パッカーン!」と水面が割れた!婚姻色バリバリのクピ。


予想して持ってきたけど、想像以上にバンニェイロがばっちりハマってチェイス&バイトが連発!3本釣って、乗らなかったりバラしたり。


スレて反応がなくなってきたところでミノーにチェンジ。「ガッッ!」と一気に引ったくられて、宙返りして狂ったように跳ねまくる。「うわ、タイガー!」予想外の獲物にちょっとビックリ。


タイガーフィッシュにラパラのミノーを破壊されたので(ケツが裂けました)、Dコン85にチェンジ。15分に一匹ペースで、クピが釣れてくる。魚、豊かすぎる!アフリカにも癒しの釣りがあるんやね。


「ギラッ」と銀色に光り、あれっ?と思いつつ寄せると、バンパーの幼魚!小さい内は、こんなとこにいるんだ。でも、雰囲気が少し違うような気もする…。こいつはそっとリリースした。


「キングフィッシャー!まるで、刺し網みたいだ!」と横で見てたウェイビーおじさんもニッコニコ。これだけあれば開いて燻製にして、家族のお土産分も充分だね。


クピを焼いて昼休憩。日陰で昼寝して、15時頃からまた竿を出した。やっぱり、奴らは帰ってこないし…。いくらか涼しくなってきてクピの活性が上がるかと思いきや、夕マヅメはイマイチ反応がない。Dコンでクピ数匹を追加したのみ。



チタラを巻いてみると、グンッときて銀鱗が水面を舞う!これは、バンパーの稚魚っぽいね。ワンドの浅場に結構数いるようで、数匹釣れてきた。



タンガニーカ湖、豊かだなあ。17時過ぎ納竿にして、お腹が空いたので夕飯の支度に取り掛かろうとした時、トーマス達が帰ってきた!「遅くなってすまない、村へ向かう途中でタイヤがパンクしたんだ…」僕が多めに渡したお金を使い切るまで、酒やタバコ、マリファナも買ってきてたけど、大目に見よう。「エンジンを修理して、釣りに行こう!」


…18時半ごろから21時前までトローリングしたけど、小型が3本のみ。やっぱり、日の入り前後が一番反応良い感じだな。大雨が降り出してずぶ濡れになってキャンプ地に戻った。そろそろ僻地滞在も折り返し地点、良いサイズが一本欲しい。


タンガニーカのラテスを追う その5に続く

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