2017年3月28日火曜日

遡上アメマスを探す その4

2016.10.8】

 前回は上流域に行き過ぎた感があったため、今回は同じ川のかなり下流域に入り、前回釣りをやめた地点まで釣り上がってみることにした。入渓してすぐに深みが現れ、ラトリンラップでボトムを探ると「グン」ときた。グネグネする暴れ方で大型アメマスと確信。読みが当たって、嬉しい一匹!


釣り上がっていくが、しばらくは岩盤の浅いチャラ川が続く。次に現れた淵には大水で流されてきた流木が溜まり、良い感じだ。


しかし、流れが早くて手持ちのルアーでは思ったように攻められない。そこでCD5のお腹に板オモリを張ってみると、これがちょうどよい塩梅、良いアクションになった。以降、このシーズンの遡上アメマス釣りにおいてかなり活躍する選手となってくれた。


 一投目、流れに乗せて流木付近を流していくといきなりヒット!寄せてくると大きい鼻曲がりのオス。身体は婚姻色で黒ずんで、ヒレは白く縁取られている。「超かっこいい!」・・・が、ランディング寸前でバラシ。やってしまった。バラシた後、淵では何匹かの大型アメマスが逃げ惑っており、ある程度の数がこの流域までは遡上していることを確信できた。気を取り直し、大きな群れの溜まっているポイントを探して、さらに上流へと進んでいく。
 2時間ほど歩いたものの群れは確認できず、単発で2匹追加した。顔が黒く、ヒレが白く縁取られ、青みがかったボディ。やっぱりイワナはカッコイイ。



その後もしばらくアメマスの群れに遭遇することはなく、浅瀬ばかりが続く。竿を振らずに黙々と進み続けると、岩盤の大規模な淵が現れた。


「ここはいるだろう・・・」と、慎重にアプローチをかける。流れの当たる最上流側のカーブ、一番深いところが一級ポイントだとして、下流側から取りこぼしなく釣るなら・・・手前の緩い流れから探りを入れていくことにした。
  一投目。板オモリを張ったCD5を流れに乗せ、ボトムで跳ねさせると、「グン!」と来た。場所を荒らさないように一気に寄せてキャッチ。ピンク斑の素晴らしいオス!頬がしっかり黒く染まり、惚れ惚れさせられる一匹だった。




やはり、この淵には群れが溜まっているようで、連続で2匹掛けるも、バラシ・・・。じれったくなり、一気に最上流の一番のドン深のカーブにCD5をロングキャストし、フォールさせてシャクると、またヒット。ファイト中、水中でグネグネする白い魚体がはっきり見えて興奮した。ランディングしてみると、60cmを超えるメス。産卵前の個体だろう、お腹がパンパンだった。


 
ちなみに、ここ最近のメインタックルは「万能パックロッド165」とナスキー(笑)一応吟味して買ったけど、フツーに使える。


ファイトやバラシで騒がしくしすぎたのだろう、その後は反応がなくなった。淵に近づいて水中を覗いてみると、3、40匹の大きなアメマスが川底にステイしている。一気に警戒モードに入ってしまったようで、それ以降、食ってくる個体はいなかった。そしてここでタイムアップ。半日釣行だったため、目的としていた地点まで釣りあがることができなかった。次回の調査に回すことにする。

 車を止めていた下流まで引き返し、さて、帰るか・・・の前に、駐車した地点から見えていた荒瀬が気になり、CDマグナムを下流に向かって遠投。ブリブリブリブリ・・・と引いてくると、「ドン!」ときた。アタリは大きかったが、釣れてきたのは痩せた個体。こいつは産卵を終えたメスだろうか。
 

久しぶりに大きなアメマスを見ることができ、うれしい釣行となりました!

遡上アメマスを探す その4に続く

2017年3月27日月曜日

遡上アメマスを探す その3

【2016.10.3】
 
 前回から場所を大きく変更し、別水系の開拓に入った。かなり上流域まで車で入っていって川にアプローチしてみると、小さな堰堤を発見。もしアメマスが遡上してきていてもここでストップされていることだろう。ちょうど良いので、ここから入渓して釣り下ってみることにした。

 と、その前に、堰堤直下の落ち込みにCD1をキャストしてみる。すると1投目でヒット!小さな残留型っぽいアメマスだ。その後も同じポイントで10匹程追加してから釣り下り始めた。




川底は岩盤で浅く、魚が好む環境には思えない。でもどういうわけか、ルアーをキャストしつつ釣り下っていくと小さなアメマスがエンドレスに釣れ続けた。10匹以上の群れでルアーを追尾してきて、我先にと食いついてくる。


しかし、少し下流へ進むと小さなアメマスの姿はぱったりと消えた。それからは浅瀬は飛ばしていき、ちょっとした深みがあれば探りを入れて大型のアメマスを探していった。すると、何か所目かに現れた淵に数匹の大型アメマスがステイしているのを発見。CD1を鼻っつらに落とし込むと、「バク!」と食いついたが・・・水面まで持ち上げたところでバラしてしまった。


 それからも釣り下ったが、新たなアメマスの姿は発見することができなかった。でも、この川に確実に海から遡上してきているアメマスがいると分かっただけで大きな収穫!今日は時間があまりないため、深追いはせず、さらに下流域の調査は次回に回すことにした。

 来た道を引き返し車まで戻ったところで、堰堤の上を軽く調査してみることにした。堰堤下の短い流域に小さなアメマスが固まっていたのは、この堰堤より上流から流れ落ちてきたのだろうと予想したのだ。
 結果、そこには凄い数のアメマスがいた。サビの出た尺ありそうな大型個体が悠々と淵を泳いでいたが、それを取り巻くようにチビアメマス達が泳いでおり、ルアーをキャストしても小型が先に食ってきてしまう。数は少ないが、ヤマメの姿も確認できた。






遡上アメマスを探す その4に続く。

2017年3月26日日曜日

遡上アメマスを探す その2

【2016.9.30】

 今日は丸一日使って、前回と同じ川の別区間を歩いてみることにした。この川にはバイカモという水草がびっしり生えており、前回釣り上がった際はルアーが水草に絡みまくり、非常にやりづらかった。というわけで今日はひたすら釣り下る作戦。入渓すると、鹿さんが出迎えてくれた。


下り始めてすぐ、本流のカーブ+小さな支流との合流というポイントが現れた。CD5を流れに乗せ送り込むと、「グン!」紫っぽい光沢が美しいアメマス。スポットの小ささから、河川残留型と思われる。


 それから小一時間ほど進み、小さなニジマスをバラシ。次第に魚の気配が増してきて、小さなアメマスを数匹バラシた後、良いサイズのオショロコマをキャッチ。流れが強い流芯から出てきたのでちょっと意外だった。


知床のオショロコマとは全く雰囲気が違う。遡上してくるシロサケやカラフトマスのイクラを飽食しているのだろう、よく太っていた。


下流へ進むにつれシロサケとカラフトマスの姿が目立つようになり、それに比例して小型のアメマスとオショロコマの数が増えていった。


お目当ての遡上型アメマスの姿は全く見えないが、残留型の子アメマスは入れ食いだった。お腹の黄色が美しく、これはこれで十分嬉しい。




イクラの食いすぎでお腹がパンパンだ。遡上アメマス探しのことはすっかり頭から消え去り、純粋に小さなアメマス達と戯れて楽しんだ。ルアーのサイズを落とし(CD5→CD1)、シロサケの群れの傍でちょこちょことやると、入れ食い。




釣れてきた魚の中には、ちょっかいを出しすぎたのだろう、シロサケに噛みつかれたと思われる痕が体に残っていたり、ケガをしている個体も見られた。



 結局この日は遡上アメマスの姿を見ることができなかった。そしてこの川、釣り人の痕跡がかなり多く、実際に自分の後からフライマンが二人入ってきてちょっとゲンナリ(まぁ、たぶん、フライマンの方がもっとゲンナリしていたはず・・・笑)。今回でこの川に見切りをつけ、次回からは別の川の開拓に入ることにした。


遡上アメマスを探す その3に続く。

2017年3月25日土曜日

遡上アメマスを探す その1

 2016年秋の遡上アメマス探しを簡単に記録しておきます。

【2016.9.27】

 そろそろアメマスの産卵時期。以前から目をつけていた牧草地を流れる小川を探ってみることにした。この川には堰がなく、上流域にも遡上してきたシロサケとカラフトマスがうじゃうじゃいる。台風の影響が残り、川はかなりの増水気味。何とか釣りになりそうな場所を探しながら釣り上がっていった。
 最初に現れた美味しそうな淵を迂回して通り越し、上流側からCDJ7を放り、流れの中でステイさせていると「グン・・・」と乗ってきた。海から遡上したのか、それとも河川残留の大型個体か・・・微妙なライン。


幸先良い一匹に気を良くして釣り上がっていくと、唯一、流れの緩むワンドがあり、急流から避難している子アメマス達が釣れてきた。



これらは完全にランドロック。体側の白点が小さく、お腹が黄色いのが残留型の特徴。


夕方2時間ほどの釣りだったけど、遡上型(?)1匹含め、多くのアメマスに遊んでもらえたのでした。

遡上アメマスを探す その2に続く

2017年3月24日金曜日

ベネズエラ・オリノコ水系釣行記その12

 【2014.4.3】ベネズエラ釣行16日目
 
 この日から移動に重きを置き、釣りは片手間となった。早朝だけ、昨日デカイのを獲ったポイントに入ってみたけど、小型のパヤーラがポツポツと当たるだけ。しまいには、これまで姿を見せなかったブラックピラニアが釣れてきた。完全に、このポイントの賞味期限は切れてしまったようだった。
 
 
キャンプ地に戻ってくると、荷物は殆ど船に積み込まれていた。川沿いの岩盤を歩いていると、何か、巨大な動物の骨が落ちている。よくよく観察すると、ナマズのような歯が・・・ルイによると、トルーノの顎の一部だという。ルイは40kgクラスは手にしているが、それより大きなトルーノにも何度もブチ切られているらしい(タックルがしょぼすぎるから、仕方ない・・・)。夢があるね!

 
そして、カンパメント・アットゥーシを後にした。今日はコクイサスまで移動する。道中、たまに良い流れがあると船が止まり、Fマグで探ってみるが、小型のパヤーラがポツポツと。正直、もう燃え尽きてしまっていて、あまりやる気も起きなかった(笑)。
 
 
遠征初日、古田君が2本獲ったポイントまで下ってきた。ブラジル製ミノーを巻いてみると、ゴンときた。パワー系お姉ちゃんが銛で一突き・・・(笑)
 
 
カンパメント・アットゥーシからコクイサスの道のりは、とにかく長かった。目的地に到着したのは既に夕方、操船のエリオスは疲れ果てている。船に座っていただけの僕もかなりの疲労感を感じていたけど、「夜は最後のナマズ、ブッコミをかける!」という古田君、容赦ない。半分寝ながらブッコんでいたけど、アタリは全くなかった・・・
 
 【2014.4.4】ベネズエラ釣行17日目
 
 遠征最終日。この日はほぼ移動のみ。道中インディオさんの村に立ち寄り、キャッサバパン作りの過程を見せてもらったり、村の小学校を覗いてみたり。
 

ルイがインディオ村に立ち寄った理由は、コレだった。ピメンタ(唐辛子)から作った調味料。よくよく見ると、なんとアリンコがたくさん浮かんでいる。蟻酸を利用した(?)インディオ村でしか手に入らない調味料らしい・・・!味の方はというと、コチュジャンっぽい。ルイの娘(けっこうギャル系)なんかは、スープや米、キャッサバパン等、なんにでもかけて食べていた。おしゃれな若い女性がごくフツーにアリンコまみれのパンを頬張る光景はちょっと普通じゃない。僕も習って色んなものにかけて食べていたけど、癖になる味。

 
その後の道中は、船を止めてみんなで水浴びをしたり、


ルイはおもむろに釣りを始めたり。


町に近づいたところでちょっと竿を振ってみた。本流から中州によって枝分かれする支流の入り口、ミノーを通すとビックーダが釣れてきた!ベネズエラのビックーダ、一般的にブラジルやガイアナなんかで釣れるやつよりも寸詰まりでコロコロした印象を受ける。

 
そして夕方、町まで帰ってきた。夜はルイの家でセルベッサパーティー。町の仲間たちが集まって、楽しい夜は更けていった。


これにて、10日間のピライーバの幻影を追う遠征は終了!現地の皆さんはもちろん、この旅を提案してくれた古田君には感謝しかねぇ。4年前、えりも岬で彼と初対面、セイコマの焼き鳥を買い込んで、公園の駐車場で飲んだ夜を思い出すよ。

そしてこの旅の5か月後、古田君はこの地を再訪。テレビカメラの前でトルーノを獲って彼の旅を締めくくった。

 
僕もいつか、この河に帰ろうと強く思う!
 
 【2014.4.6】ベネズエラ釣行18日目
 
奥地遠征から戻り、古田君が首都へ向けて出発するまで、少し余裕があった。暇を持て余し、もう一度ガルシアのおっさんに声をかけてパボーン釣りにトライすることにした。

 
前回と同じ湖までやってくると、今回はちゃんとカヌーが係留されていた。気を抜くとすぐにひっくり返りそうな、木をくりぬいたカヌーに3人で乗り込み、岸際を撃っていく。
 1年前に古田君がこの湖を訪れたときは、Fマグやレッドフィンで結構釣れたのだという。でも、なんだか渋い感じ。保険として持ってきていたシュガーミノーに変え、ロングジャークで探っていくと、手首をひっくり返され、直後、水面が爆発した!コブがちょっとでた、ツクナレ・アスー!

 
それからは快釣!程よく反応があり、同じパターンでパッカ型もキャッチ(アスーもパッカも、学名はキクラ・テメンシスだよ)。僕も古田君も、10日間の奥地遠征で確実に太ったな(笑)。奥さんの飯がうますぎて・・・。
 
 
もうちょい大きなアスーをバラシたりして、その後もポツポツとキャッチ。
 

そして、もう一種釣れたのが、ボーボレータなどと呼ばれる、キクラ・オリノセンシス!水の色が薄い白濁色だったせいか、ちょっとブルーがかってて、これはこれで美しい。

 
古田君はTENGAを改造した巨大ポッパーを投げ続けて、タライラーが1バイト(笑)。この日の釣りがベネズエラ最後の釣行となったのでした。

マラリア後日談
 
 この後も自分は1カ月ほどベネズエラを旅して、別の河に巨大タライロンを探しにいく予定だったけど・・・古田君と別れてから歩けないくらいの頭痛に見舞われた。頭痛が始まって5日後の夜、シウダーボリバルまでなんとかたどり着き、翌朝病院へ。即入院したけど、血液検査の結果が出るのにさらに3日かかり、結局予想通りの「熱帯熱マラリア」。前身がむくみ、身体がパンパンに腫れ上がり(お腹がぼっこり出て、「餓鬼」のようだった)、顔面は赤黒い内出血&なぜか玉の皮が全部剥けた・・・

 「もしかして、死ぬ・・・?」と本気で思っていたけど、2週間の入院の末、何とか回復することができた。病院食が喉を通らなくて、水も飲むのがやっとで、言葉が通じないから放置されて・・・そんな中、大使館から連絡を受けて病室に駆けつけてくれたのが、シウダーボリバルに住むEさん。持ってきてくださった味噌汁を一口飲んで、涙が出た。

Eさん家族が僕の病室に泊まり込みで看病してくれて、退院した後も帰国まで居候させてもらい、歩く練習(リハビリしなきゃ歩けないくらい体が弱り切っていた・・・)に励んだ。もう、命の恩人。Eさんがいなかったら、どうなっていたかわからない・・・。

 
というわけで、Eさん家族に会いに、お礼をもう一回言いに、ベネズエラには帰らなくちゃいけないんです。色んな人に迷惑をかけたけど、この旅は僕にとって一番思い入れのある旅となりました。

 「蚊とか、おらんすよ。余裕っす」という後輩がいても、南米へ釣りに行くなら絶対マラリア予防薬は飲みましょう(笑)この時は、僕、古田君(帰国後発症)、ルイ、ルイの奥さんが熱帯熱マラリアに・・・。こんなことなかなかないとは思うけど、対策は常に万全に、という教訓を得ました。釣り旅にチャレンジするなら自己責任で、命第一、釣果第二で楽しい旅をしてくださいね!

ベネズエラ・オリノコ水系釣行記 終わり。