2020年4月11日土曜日

タンガニーカのラテスを追う その6

  納得のバンパーを手にしたところで、僻地滞在は残すところあと3日。「もっとデカいヤツを!」ということで、最後まで全力を尽くしていく。移動してきたエリアでも釣れてくるアベレージは5、60cmといった感じで、たまたま一本良いのが出はしたけど、日に日に反応が悪くなっていった。夕マヅメに小型が一本しか出なかったところでこちらを見切って、元いた広大なシャローエリアに戻ることにした。


 朝から移動を始めて、昼前に釣れるゾーンに差し掛かってしばらく流していくとドンっときた。それ以降もホットスポットのシャローをトローリングし続けたけど反応があったのはこの一匹のみだった。やっぱり日が高い内は反応が悪い。


 さて、今日を含めて釣りはあと2日。気持ち的には少し余裕ができたことだし、「朝&夕マヅメでトローリング、昼間はガチ小物釣り」といった感じで、無駄なく洗練したプランで過ごしてみることにした。まずは朝マヅメ終わりの船からのシクリッド釣り。ずっと気にはなっていたけど手を付ける余裕がなかった。ワクワクしながらタックルを組む。この釣りのために持ってきた、MX-1&スライドグリップ(プロト)に、出国間際に慌てて追加購入してきたナスキー500の組み合わせ。


探っていくのはボトムが目視できる数メートルのところから、水深30mまで。魚探は水深を測るためだけに使う。地形など一切考慮せずに適当に場所を決めても、ボトムまでサビキを沈めると釣れまくる!




タンザニアでもちょこっとやって色んな種類が釣れたけど、それ以上の釣れっぷり。サビキの針全てに掛かってくることもあった。湖底はシクリッドだらけなんだろうなぁ。


シクリッドがヒットして、巻き上げてくると「ジィィィーーー!!」っと突然ドラグが悲鳴を上げる。犯人はクピ。こいつは浅場から深場まで、どこにでもいるな。


群れに当たったのか次々クピがヒットしてくる。MX-1のリールモードで遊ぶには良い相手だけど、持ち込んだサビキの糸が弱すぎた。歯に擦れたりしてブチブチ切られてしまう。貴重なサビキ仕掛けが次々ダメになっていく・・・。


クピを数匹キープして、船上で昼食にする。僕が釣りをしている間にトーマスが火を起こし(ローカルの七輪を持ち込んで、船上料理)、炭火でじっくり焼いて、米も焚いた!タンガニーカの焼き魚定食。久しぶりのコメが超嬉しい(^^)


やたら引くぞ!と思ってゆっくりゆっくり上げてくると、なんとラテスの幼魚がトリプルヒット(笑)ランディングで一匹外れて、ダブルキャッチ。なんか、バンパーと雰囲気違うか?このサイズだと、ぱっと見わからない。


最後の最後に釣れた、デコっぱちのフロントーサ!タンザニアでは小型のが3匹釣れたけど、町の市場で大きな個体がまとまって水揚げされているのを見て、ここで釣っておきたいと思ってたのだ。


釣れたのはこの一匹だけで、数は他のシクリッドに比べるとこの辺りではそんなに多くないのかな。超嬉しい一匹!


そして、久しぶりに「オフィス」に戻った。ゲイ君の上司たちが新たにやってきていて、「ここに滞在するならカネを払うのだ」というので、数千円を納めてキャンプ地を確保した。・・・毎日、食事は魚とシマのみ(村で買い込んだバナナと玉ねぎは全部サルに食われてロスト)、調味料は塩だけ、水分補給はタンガニーカ湖の水オンリー、そして慢性的に睡眠不足という生活が続いていたためか、ここのところ常に身体がめちゃくちゃダルい。「でも、俺に残された時間は少ないんだ」と自分を奮い立たせて、オフィスの前でも陸っぱりで、休むことなく竿を振った。


同じくMX-1の「リールモード」で、これまで手を付けていなかった小型ルアーで岸際を探る。Dコンパクトで岸際を打っていくと、婚姻色バリバリのシクリッドがヒット。


テラピアや産卵モードのシクリッド達が群れているけど、ルアーへのそんなに反応はよろしくない。釣れるのは、最初に釣れたのと同じ種類のシクリッドばかり。でも、楽しい釣りを発見した。大きな岩陰にラテスの幼魚が群れで居ついていて、Dコンを通してフォールさせると次々食ってくる!





手のひらサイズ~、ちょっとしたセイゴサイズまで(見た目もヒラセイゴみたい)。このサイズになってくると、MX-1リールモードで遊ぶと、すごく楽しい!


チビラテスに夢中になってキャストし続けていると、「ズガーン」とクピがすっ飛んできてヒット。しかもなかなか良いサイズ。岩に擦れないよう、ロッドを高く掲げて、なんとかいなして捕り込んだ。


 そして本命の方はというと超高活性!朝マヅメはあまり反応が良くなかったけど、夕方になると次々ヒットしてくる。


思うところあってスーパーシャッドラップを封印してCDマグナム一辺倒で流していくと、少し流れが変わったかも・・・?



そこそこサイズを2本捕って、最後の最後までやりきって、この旅は終了となりました。


この旅最後の一匹。ほんとバンパーは個体差が激しい。体表のヌル感とかも、サカナによって違ってくる。こいつは居つきの個体だろう、かっこいい!


でも、最終日の夕マヅメ、本当の最後の最後に隊員が握る竿に来たヤツ。僕が竿を受け取る間もなく一瞬でノされて「パァン!」と、メインPEをブチ切っていった(手首を返されて竿が一直線になり、糸が湖底の岩に擦れた)。手練れのウェイビーおじさんではなく、この日イレギュラーに同船したトーマス友人が竿をホールドしてたのが、負けた原因だな・・・「ビッギフィーッシ」ってドヤ顔されて(大物の一発がどれだけ貴重か理解できていない・・・仕方ないんだけどね笑)、殴りかかろうかと思った(笑)。やっぱり、まだ終われないわ。


 10日間の釣りを終え、夜通し湖を走って町に戻り、隊員たちに見送られて早朝の乗り合いバンに乗って再びタンザニアへ。サブターゲットを狙って1週間ほど旅を続けたけど清々しいほどにボコられて終了でした。


毎日修行のようなトローリングに付き合ってくれたトーマスとウェイビーおじさんには感謝しかない。また彼らとこの湖で夢を追おう。この地に帰るのが楽しみだ!

タンガニーカのラテスを追う おわり

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