2021年3月26日金曜日

東北のベッコウゾイを追う その4

 【東北ベッコウチャレンジ25日目】

 掴みかけていた気でいたけど、50オーバーと思われる一匹をブレイクして以降、子ベッコウすら出ない日が続いた・・・。もちろん昼間はずっと釣り続け、夕マヅメ以降も心が折れるまでやって、朝は3時に起きて磯に入る生活を繰り返していたにも関わらず・・・この磯で、何回朝日を見たかな。


長期滞在している間にオフシーズンにも拍車がかかっていって、ここ最近はアタリすらない日もザラ。ここまで結果が出ないと・・・逆に、一周回って、何も感じなくなっていった(笑)。焦りももうあまりない。

 ふと思いついて、「ボートからも撃たれていない」「陸っぱりでも、ふつーは入らない」というようなポイントを開拓してみて、エントリーに成功(危険は冒してません)。最後の最後にみつけた、「なんとなく、ベッコウっぽい?」と思えるポイント。ちょっと期待してしまう。


ラインチェックして結び変え、探り始めて数投目。足元にスーッっと落として、ゆっくり持ち上げてくると「グン・・・グン」・・・き、きた・・・!!キケンな障害物は特になし、スラックを取ってフッキング!「スカッ」・・・アワセ切れ・・・声もでなかった。


「・・・サイズ小さくてもアワセ切れはするよな」と言い聞かせるけど、辛い。ちょっとコレは辛すぎる。さっき結びなおしたとこだぞ。瞬発的に切れた感じだったので、「針掛かり、一切してないんじゃ・・・」と思い直して、周辺をじっくり探ったけど、反応はなし・・・。

敗因は、僕が買い占めすぎて周辺の釣具屋で「シーガー船ハリス6号」が手に入らず、代わりに「サンライン船ハリス6号」を使ってたから。根掛かりしたときに感じてはいた。「全然強度が違いすぎ、許さねー!」泣けてくる。


その夜はテントで発狂していた(笑)。焦りはないけど、自分自身への怒りが込み上げてきた。どうしてこうもうまくいかないんだろう・・・「それでも俺は、絶対に諦めねーぞ!・・・」。翌日ボウズで、いったん退いて、次がこの旅ラストの釣り。


【東北ベッコウチャレンジ27日目】

 あっという間に時間は過ぎて、この旅最後の山籠もりになってしまった。ラスト4日間釣りをして、北海道へ帰らないといけない。「釣り旅人の流儀(個人的)」として、誰に頼ることなく単独行を通してきたけど、ラストチャレンジの前に、久しぶりに地元ロックフィッシュ名手の「さんぺーさん」に会うことができた。

自分が滞在していた町の近くに釣りに来ているという事で合流して、ベッコウの習性とか、昔の話とか・・・アドバイスと廃盤カラーのスピンドルをいただいて、気合が入った。貴重な休みを僕のために割いてくれて、ありがとうございました・・・!


話を聞いて、釣り方を意識して変えていくことにした。それに合わせてワームはスピンドル5インチオンリー、シンカーはブラスから鉛に変更。・・・そしてラインは「シーガー船ハリス7号」にあげた(笑)。


 入りなおした初日の夕方。スピンドルを足元にスーッと沈めて、着底と同時に「グン・・・」と抑え込まれた!悔いの残らないように、思い切ってフッキングをきめると「ドンッ」と重みが乗る。「重い、ベッコウだろ!!」ゴリゴリ巻いて、螺旋を描きながら水面まで上がってきたのは・・・でっかいアイナメだった・・・笑。


いや、君。デカいよ。メジャーを当てると55あるように見える。けど、あまり平らな場所がなかったから・・・自己記録タイの54ということにした。水温も下がってアイナメのアタリは殆ど無くなってきたところで出た一匹・・・デカいのは残ってるのかな。老成したカッコイイ魚だ!


夕マヅメは反応なく、ナイターへ突入。「タンッ」「トンッ」とムラソイと思われるアタリが連発する。ここのところ夜やってもノー感じが続いていたのでちょっとビックリ。ことごとくノラないけど、一匹子ベッコウが出た。ちょっとこれ、なんか、良い流れじゃないか・・・?



【ベッコウチャレンジ28日目】

 期待した朝マヅメは反応なく。今日から天候が一気に荒れていく予報で、多分明日の午後以降は相当厳しくなる。「前回アワセ切れしたポイント、今日入るか、明日朝までとっておくか・・・」と悩んだけど、まだ確実に釣りになる今日の内に打っておくことにした。 

「さぁ、勝負だ」。前回と全く同じ立ち位置で、もらったスピンドルで探る。一投目、ダメ。二投目、反応なし・・・周囲に10投くらいしたけど、出ねぇ・・・。「だめなのか・・・」青銀にカラーチェンジしてみて、その一投目だった。着水して、最初のフォール、スーッ・・・・・・「ゴンッ!!」

冷静に、スラックを取って体勢整えてからあわせる。ドスッと重みが乗る。がむしゃらに巻く。一気にぶち抜いて、マ・ジ・デ・絶叫した・・・!!!


はぁ~・・・叫びはしたけど、言葉が出てこなかった。でもね、50はなかった。うん、メジャーあてる前にわかってた。でも、そんな事どうでもよくなっちゃった・・・。

28日かかって手にした一匹。世界でも日本でも関係ない、やることは同じ。「これが、俺の釣り旅です!」・・・ベッコウよ、ほんとうにありがとう・・・!


MX-8+、フロロ7号、スピンドルワーム5インチ。タックル立ても煮詰まって、釣り方もなんとなくイメージできてきたなってトコでの一匹。しかし本当に、長かった~・・・色々思い出すと、泣けてくるくらい、長かったよ。


 ・・・一気に気が抜けてしまった。予報より早く、海は徐々にシケだして、頭上から波しぶきが降ってくるくらいに荒れてきた。何となく赤金にチェンジ。「ほんと、こんな事ってあるんだね・・・ギリギリのタイミングだったな・・・」なんて考えながら、辺りを探っていると「グン・・・」ドスっとフックアップ、結構な重量感。ぎゅぃーんと水面で横っぱしりを見せた、ナイスベッコウ・・・!すごい、なんだコレ・・・笑。


たまたま、最後の最後に色んな好条件が重なって、状況が良かったのかもしれないけど・・・ベッコウの習性、魚としての「癖」的なトコロを教えてもらって、自分でも意識してアプローチを考えて、その途端に流れが変わったと思う・・・何が真相かは魚に聞かなきゃわからないけど、「魚の気持ちを考えてみる」ってのは、本当に大事だなぁと、改めて実感した!



【29日~30日、この旅ラストの2日間】

「この調子で、ゴーマル出たりして・・・」と思ったけど、うねりがどんどん酷くなり、全く釣りにならなくなった。滞在中最高クラスのシケ。魚一匹も釣れず。うん、そんなもんだよな・・・笑。



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 以上で、合計30日に及ぶ僕のベッコウゾイへの挑戦は「一旦」終了! さすがに長時間やり通しただけあって、学びがたくさんあった。

本当に、「釣り方」に関しては道を示してくれたさんぺーさんのおかげ(そう言ったら本人は、謙遜されると思うけど・・・笑。そしてもちろん、僕一人でも色々考えて、最大限の試行錯誤をしたよ)。いつものスタイルで開拓して、ホットなピンスポットを見つけることが出来たのもデカかった。

最後の最後に釣れてくれた2匹のベッコウ。今後の僕のロックフィッシュゲームに、大きな影響を与えてくれると思う!


・・・「どうでもよくなっちゃった」って言ったけど、次は絶対にゴーマル捕るぞ(笑)また同じ季節に、この地へ帰ってこようと思います。これまでやってきた海外旅と同じキモチで挑んだ今回のこの「釣り旅」、一生忘れる事はないだろうな。

そして、ベッコウチャレンジから学んだコトは、北海道でのロックフィッシュゲームに繋がっていく・・・はず。この春、何としても結果を出したい。今期も気合いいれて、やるぞ!


「東北のベッコウゾイを追う」、おわり。

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