2018年5月3日木曜日

スリナム・タライロン釣行記その6

【2015.8.11】

 一晩中蚊にたかられ続け、全く熟睡できず、夜が明けてしまった。まだ二人とも起きてきておらず、「ピラニアでも釣るか」と、水辺へ向かうと・・・船、沈んでんだけど・・・(笑)。ダリックを起こして二人して船を引き上げる。エンジンまで、水没してしまった・・・。


幸い、自分たちの荷物は船から降ろしてあったので被害はなかった。船外機も一応動く。ホッとしたところで、昨日ヨシマサ君が釣ったタライロンの解体に取り掛かった。マチェットで鱗を剥いでいく。


このタライロンの頭は、骨格標本マニアのカッタ青年のため、日本まで持ち帰ることに。しばらくの野営生活を、このお頭と共にすることになる。


朝からハプニングに見舞われつつ、そんなこんなで今日もタライロン・フリットをつまみながら、川を遡っていく。


走行中、僕はタライロンの頭を乾かして、ダリックはピーコックバスとタライロンを風に当て、開き干しをつくる。



もちろん今日も、移動中はずっとトローリング。いつも通り、デカいブラックピラニアがガンガン当たってくる。ヨシマサ君、ザ・ファーストで連発!


しばらく遡上すると、流れが荒々しくなってきた。「このエンジンではこれ以上上流へ行くのは無理だ。水が多すぎる。」というダリック。「なんとしても上流へ行きたい!」と主張する僕。前回来たときは、乾季が進みすぎて、水が無くて遡上できず、今回はまだ水が引き切っていなくて、遡上できない・・・うまくいかないもんだ。ダリックの操船技術で、何とか荒瀬を越えていくが、どこまで進めるか・・・。


越えられる最後の背をクリアすると、小さな止水のワンドがあった。ダリックは「ここはピーコックバスのポイントだ。ワンドの中にルアーを投げてみろ」と言う。「どっちかって言うと、ピーコよりタライロンじゃね?」と、ポッパーを遠投して「ボゴーン、ボコーン」とやると何者かが猛チェイス。僕には見えなかったけど、「ピーコックバスだ!デカいぞ!」とダリック。アイルマグネットに付け替え、一投目でキタ!ポッパーに追ってきたのとはたぶん別のヤツかな。


ヨシマサ君もザ・ファーストをワンド周辺に通して、すぐにピーコックバスをキャッチ。止水で、ネストでも張っているんだろうか?


ワンドではピーコを2匹釣ったところで、反応が途切れた。そこよりも少し上流へ上った地点を今日の野営地とした。雨が降り出して、びしょ濡れになりながら、ビニールシートを屋根替わりに張った。


野営地周辺は、これまでやり過ごしてきた瀬よりも、更に流れの速い岩礁地帯。ここよりも上流へ船で行くのは不可能だと、ダリックに告げられてしまった。


無理なものは、仕方がない。動ける範囲内で、出来る限りを尽くそう(今思うと、ダリック、疲れて移動するのダルくなってたんじゃね?とも思える・・・笑)。今日も夕方になるとピラニアが沸き始め、野営地前で入れ食い状態に。レザーマンで捌くのが面倒になってきたので、砂浜をまな板がわりにして、マチェットを振り下ろして叩き切った。骨太すぎて、ぶつ切りにするにはレザーマンだとしんどい。


今夜のタライロンポイントは、野営地から歩いて行ける岩盤地帯の本流に面した完全止水プール。試しに、まだ明るいうちからブッコんでみることにした。


「ルアーでも釣れないかな?」と、プールの中でポッパーを引き倒したけど、無反応。ブッコミにチェンジして5分後、「ジーッ」とクリックが鳴った。大アワセを入れると、小さなタライロンが吹っ飛んできた(笑)。この旅初のタライロン!小さいけど嬉しい。ポイント的な問題か、ルアーに一切反応しないんだよな。餌では一発なのに。


それからはブラックピラニアが襲来。やっぱり明るいうちはピラニア祭りで、釣れば釣るほどピラニアたちの活性が上がっていく。フッキングから抜き上げの動作練習として、数匹釣っておいた(笑)。



日が落ちると、ピラニアたちは消えた。間もなくして、「ジーーー・・・」と、ゆっくり糸が引き出される。本流からかなり離れた、奥まったプールに投入していたので、「タライロン、来た!」と思ってアワセると、「ギャギャギャギャギャー!!」あぁ、レッドテールだ・・・。本流まで突っ走り、大きな岩の向こう側に回り込まれたけど、思いっきりゴリ巻きして一気に寄せた。これも120オーバー!嬉しいけど、疲れ果ててこの表情(笑)


レッドテールを撮影していると、「グリーンフロッグ」と言って、ダリックがカエルを捕まえてきた。うわっ、ソバージュネコメガエルだ!!それもペア。僕は10代の頃に、外国の爬虫類・両生類の飼育に憧れている時期があった。そんなアコガレのカエルに、現地で野生のものに出会えるなんて。感動した。


カエルに感動していると、「ギィィィーー」とヨシマサ君のアブのクリックが鳴った!小型のタライロン!


ヨシマサ君のタライロンを撮影していると、「バァァァン!!」と銃声が鳴り響き、「ドサッ」と、ホンの数十分で仕留めてきたラバを投げてよこすダリック。もう、全てが濃ゆい!


レッドテールをリリースして、カエルを森へ帰してから、再度仕掛けを投入。しばらくして、ゆっくり糸が引き出され、大アワセ!フッキング時の重みで、レッドテールではないことを確信して、一気にゴリ巻いてブチ抜いた。良型のタライロン、来た!


直後、もう一本追加した。至近距離でのタライロンブッコミ。静から激しく動へ、雷魚釣りのようで楽しい。


しばらく反応が途切れて、最後に小型を一本追加した。コイツは対岸の岩の裏側に潜って出てこなくなってしまったので、浅瀬を歩いて対岸まで渡り、ブチ抜いてきた(笑)。前回悔しい思いをして、徹底してきたパワータックル。ドンピシャだったなぁ。


それから完全に反応が途絶え、今日の夜釣りはここまでにした(今の自分なら、ガチの置き針仕掛けを作って持っていって、毎晩仕掛ける笑)。睡眠不足と、飯食わなさすぎで、とにかく体が疲れきっている。ダリックに借りた蚊帳がゴミすぎて、毎晩蚊との戦いを強いられている。テントで眠っているヨシマサ君に頼んで、今日だけ寝床を交換してもらうことにした。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。