2018年5月8日火曜日

スリナム・タライロン釣行記その8

【2015.8.13~帰国まで】

 結局ほぼ眠れず、朝を迎えた。蚊対策で服装は万全にしていたけど、靴下越しに足の裏を刺され続け、猛烈に痛痒い。皆口数少なく荷物をまとめ、船に乗り込む。今日も雨だ・・・。


野営しながら徐々に釣り下るのかと思いきや、ダリックの独断で一気に車で川にエントリーした地点まで戻ってきた(しゃべる気力もなかった笑)。そこで、ハンティングと漁に来ていたダリックの友人氏チームに出会う。「昨日、刺し網でデカいタライロンを捕った」という。写真を見せてもらうと、確かにデカい。何日か滞在しているらしく、「ここらのポイントは壊滅してるんじゃ・・・?」と不安になる。


ここで、ダリックから提案が。「明日、村へ帰ろう」・・・ここのところの雨でジャングルがぬかるみ、車で突破できるうちに川を離れないと、村へ帰れなくなるという。予定していた日数の、半分ちょっとぐらいの釣りになってしまった(これも今思えば、ダリックが早く帰りたかったんだろう笑。僕らも疲れ切っていて、思考を停止させていたし・・・)。そこから少し下流へ向かい、雨が上がったタイミングで今夜の寝床作り。ブルーシートで屋根を作る。今夜はちゃんと寝たい・・・。


日が暮れる前に、今夜の餌集めに取り掛かった。野営地周辺をトローリングで探っていくと、相変わらずブラックピラニアが釣れ盛る。


あっという間に充分量を確保!マチェットでぶつ切りにして、お皿にぶち込んでおく。


餌を集め終えて夜釣りに出発した。前回来た時、最終日に入ったポイント。その時は同行していた兄ちゃんが良いサイズのタライロンを釣り、アタリも多かった。期待を胸に、ぬかるみに足をとられながら、ジャングルを歩いていく。


道中には子ジャガーの足跡があった。苦労してぬかるみを突き進んだけど、水位が高すぎて釣り場までたどり着けず、妥協ポイントでブッコんで、ピラニアのみ・・・。


結局来た道を引き返して、野営地から船に乗り込み、初日にレッドテールを釣ったポイントへ向かった。今夜は月が明るい。ダリック曰く、「フルムーンは、よくない」・・・最後までブッコミ続けたけど、最終夜は小さなアタリが数回あったのみで終わってしまった・・・。夜釣りを終え、野営地へ帰る道中、船を岸に付けて真っ暗なジャングルへ消えていったダリック。すぐに「バーン」と銃声が響き、仕留めたラバをぶら下げて帰って来た。


翌朝全ての荷物を撤収し、車まで戻る道中、最後のトローリング。結構良いサイズのピーコックバスがこの旅を締めくくる魚となった。


これも、ダリック家族へのお土産に。


同じく、今日村へ帰るというダリックの友人たちと協力して、ぬかるみを突破することになった。チェーンでつないで引っ張り、引っ張られ、助け合いながらなんとか前進していく。


自分たちの車が先にジャングルを抜けて、赤土ロードに出て、そのまま村までノンストップで走れた・・・けど、友人氏の車はジャングルの中でぶっ壊れて、立ち往生していたらしい・・・(笑)


タライロン村に帰ってからの数日間。「船を借りて、河口に巨大ターポンを釣りに行こう!」と計画したけど、同行を約束した人物が現れず、ダリック家族とのんびり過ごすことになった。子供たちと小川に釣りに出かけたり。


ダリック家の軒下に居候させてもらって、子供たちにねだられて、日本語を教えたり。あー、写真を見返していると、猛烈にこの場所が恋しくなってくるなぁ。


僕は一足先に帰国するけど、ヨシマサ君の旅はまだまだ続く。彼はこれから隣国ガイアナへ。


「ピラルクー捕ってきます!!」と言って、明らかに怪しい夜行船に乗り込み、真っ暗な川へ消えていったヨシマサ君・・・。当初は一人旅のつもりでいたけど、彼と出会て本当に良かった!僕の釣り旅の価値観を理解してくれて、旅の喜びを共有できる男だった。


翌日、ぎゅうぎゅう詰めのバンに乗り込み、爆音のラテン音楽が流れ続ける車内で死にかけながら、でこぼこ道を耐えること13時間・・・疲労困憊で首都パラマリボに到着。久しぶりの中華で生き返る~!


 巨大タライロンを求めて再訪したスリナムだったけど、釣果的には不完全燃焼!あまり情報が出ていない地域のアマゾンは、通わないと、良いタイミングに当てるのが難しいなぁ。旅は完結しなかったけど、またいつでも帰れる場所ができて、いつでも迎えてくれる人たちにも出会えた。

 僕が日本に帰ってからも、タライロン村の子供たちから、「ケンのくれたルアーで釣れたよ!」とか、他愛もないメッセージが届いたりして、旅の終わりを感じさせてくれませんでした。また行こう!

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