2018年4月16日月曜日

ムベンガ再戦 その5

【2018.2.16~17】 マイピリ滞在15~16日目 アタリゼロ

 2日間上流の激流ポイントで粘ったけど、アタリゼロ。たまに小型のムベンガがボイルしていた。あまりにも激流過ぎると、小型しか入ってこない気がする。(大型は、無駄なく効率よく餌を捕れる場所を知っているのかな、とか思ったり・・・)この2日間はロクに眠れず、さらに風邪(気候が完全に変わって、夜中は寒いぐらいに)、熱中症、頭痛、再度腹痛が加わって来た。この旅で「あーもう帰りてぇー」と何度口にしただろうか。


村にはヤギとニワトリが走り回っていて、赤ん坊は、糞まみれの地べたをハイハイしている・・・。僕がテントを張っているのは村の憩いの場みたいなところで、毎晩12時頃まで村人たちがたむろし、彼らが居なくなるとヤギの親子が登場、子が親とはぐれて双方泣き叫び・・・を4時頃まで繰り返す。それに続いて今度はニワトリ達のモーニングコールの嵐。それに起こされた子供たちがテントの周りを走り回り・・・が、毎日。発狂しそうになる。この村で計45日間を過ごして、僕の中で嫌いな家畜トップ3が、ブタ、ヤギ、ニワトリで確定した。


ニワトリは、テントで寝ているとフライシートの内側にまで入り込んできたりして、「ホント、いい加減にしろよ!!」・・・というこで、村人から買って斬首して、


スモークして食べてみた。久しぶりの肉、最高!卵も手に入るし、放っておけば勝手に増えるし、僻地における食料として優秀なことは認める。ニワトリさん、ごちそうさま。



【2018.2.18】 マイピリ滞在17日目 ムベンガアタリ3

 朝起きて「今日の夜はサルディーン和風パスタだな」と、ニシンの缶詰の残量をチェックするとひとつもない。アモコが一人で夜な夜な食ってたとバンバが言う。今日もイライラが止まらねぇ!「なんで俺に一言もなく、お前だけで食ってんだよ!」と怒ったけど、ふてくされるだけで反省はしないからしないから、良い方向へは進まないんだよな・・・コンゴ旅の難しいところ。

ここ数日餌の調達に苦労していて、午前中、アモコにローカル漁師に会って周り、活魚を調達してもらうことにした。怒られた後の彼の働きっぷりを試したかったのもある・・・。アモコに見送られながら、8時ごろシャヴィーの操船で釣りに出た。


「激流すぎると大型ムベンガはいない」と結論して、今日から残りの日程、アツシポイントと岸壁ポイントで竿を出すことにした。今日は弱い風が下流から吹いていて、まずはアツシポイントでやってみたけど、朝のうちは良かった流れが変わり、釣れる気がしない。午後からは岩壁ポイントに移動した。


今日の岩壁ポイントは、ムベンガが入ってきていた。沖と手前に2本仕掛けを流して3アタリ。全て手前側に食ってきた。一回乗って足元まで寄せたけど、激しい首振りジャンプでポーンと針が外れてしまった。小型。今日はこれで打ち止めだったけど、やっぱりこのポイントは鉄板だ。


夜、パスタを作った。アモコの命令で毎日早朝に餌を探しに行ってくれて、船外機運びもやってくれているシャヴィーにも今日から飯を作ることにした(川辺から村の物置小屋まで、船外機を担いで200m程。アップダウンも激しいから、相当キツイ)。

 今朝アモコは「餌を調達してから釣りに合流する」と言っていたが、結局活魚は一匹も確保してきておらず、合流することもしなかった。釣りから戻っても姿が見えなかったけど、パスタが完成すると普通に飯を食いに現れて自分の分を取り分け始めた。「お前、昼間何やってたの?」と聞くと黙り込むアモコ。もう怒ることにも疲れて「Do your best」とだけ伝えた。「オケー、オケー、オケー」と言ってパスタを掻き込んでいる・・・もうやだ、ころしたい!(笑)。風邪を治そうと、ピリピリを大量投入したトマトスープを作って飲む。夜中には雨が降り出してよく眠れた。


【2018.2.19】 マイピリ滞在18日目 ムベンガアタリ2

 6時半頃目を覚ますと、まだ雨が降り続いている。雨が上がるのを待って出船したのは11時過ぎ。今日はシャヴィーのおかげでンベッセが3匹手に入った。
 やっぱり、雨の後は下流からの風が吹く。岩壁ポイントに到着すると、白波が立ち、理想的な状況。「今日は来るな」と予感がした。

沖側をムスワロ(昨日の残りが2匹いた)、手前をショートノーズのンベッセでいく。甲板で横になり、アタリを待った。「バン!」1時間半ほどして、沖の竿に来た!フッキングをかまして、5回ほど追いアワセを食らわせる。


10mほど一気に走り、いつも通り反転してこちらに向かって突っ込んでくる。一気に巻き取りにかかるが、再度反転して走り出した瞬間にフックオフ・・・体に掛かっていたと思う。重量感的に、この旅イチのサイズだったかもしれない。悔しさもあったけど「まだ戦える」・・・どちらかと言うと、清々しさがあった!(笑)


その後一気に風が弱くなり、「今日はこれで終わりかな・・・」と思い始めた矢先、「バン!」と糸がはじけ飛んだ。また来た!スピード感があまりなく、「そんなに大きくはないな」と予想がついたため、落ち着いてファイト。全身を出してジャンプし、その後も水面で大暴れ。


口掛かりだったため、よく跳ねる。何度説明しても担架式ネットの使い方を理解しないアモコに怒鳴りながら、船べりでの攻防を繰り返し、なんとかネットイン。


この旅4匹目のムベンガ、90cmぐらいの若魚!!


この一匹で、担架式ネットの持ちての竹が折れてしまった。1年半前に作って今まで持ってたけど、さすがに腐ってしまったようだ。風が完全に止んでムベンガの気配がなくなったところで、ネットを補強するために今日は16時半で早上がりした。


夜、アモコがぶつ切りにした血まみれのムベンガ肉を、そのまま茹でようとしていて(「煮る」じゃなくて、もはや、「茹でる」と表現していいと思う。)、全力で阻止した。火傷を負いながら、高温の油で丁寧にカラッと揚げた。


くっそ美味い!でも、アモコは「トマトソースがないから微妙だ」と言ってきた。お前、いい加減にしろよ!日本人の僕から言わせると、普段彼らが食べてるフフなんかは、「人間が食っちゃいけない(腐った)モノ」・・・なんだけど。アフリカ人の味覚センスが謎すぎてイライラする・・・(笑)


「最後に一発あると思う。下流からの風がほしい」と、この日の日記の最後に綴られている。村滞在は残すところあと6日、今回の旅もいよいよ終わりが見えてきた。

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