2018年3月25日日曜日

コンゴの釣り旅話 その5

「コンゴ川の囲い網漁」

 ガソリンを探してマイピリ周辺の村々を当たって歩いていた時、岸辺で大きな網を張り、魚とりをしているじいさんに出会った。


近づいていくとそれはマイピリの村人で、「オー、ケンゴー!」と声をかけてきた。水際の水生植物を網で囲い、マチェットで草を切り倒しては囲い網の外に放り投げていく。ボサの中に隠れていた魚の逃げ場所をなくして、囲った網をたくし上げていって一網打尽にする作戦らしい!これは最後まで見届けたい。


しばらく見守っていると終わりが見えてきた。だいたいの草を切り終えたところで、徐々に回りの囲い網を絞っていく。


逃げ場をなくした魚たちはパニック状態に。「ドボーン、ドボーン」とボラのように跳ねまわっているのは、見た目もボラみたいなヘテロティスだ!「じいさん、獲物を逃がすなよ!俺にコンゴ川の珍魚たちを見せてくれ!」


普段ムベンガ狙いと同時に、ミミズを餌に珍魚釣りにも精を出してきたけど、本流で釣れるのは数種類のカラシンと、シノドンティスの類が多く、旅も終盤に差し掛かり、魚種は出尽くした感があった。でも、こういう止水のボサの中に隠れて生活しているヤツらは、本流のとはまた違った顔ぶれ。ワクワクが止まらない!


この狭い空間に、こんだけ魚がいたの!?魚影の薄いイメージが強いコンゴ川だけど、ちょっとびっくり。小型のモルミルスの仲間が一番多い。


ナイルアロワナ(学名 Heterotis niloticus)、現地名コンゴヤシカ。こういう止水に棲んでる姿は、僕の中でのイメージ通り。でも意外なことに、普段ムベンガを狙っている激流の中を群れで泳いでいる姿も見かける。「ミミズを流していたら釣れないかな?」とずっと狙っているけど、未だ釣れていない。


激流の表層を泳ぐ姿を見てアモコは「水面の虫を食べている」というけど、プランクトン食だろ、コイツ。流れの中もガンガン移動するけど、腰を据えて生活してるのは、こういう泥底の止水域なんだろうか。



止水域代表のお魚その1、ウォーキングキャットフィッシュ(学名 Clarias batrachus)。現地名ンゴロ。こいつがまとまった数安定して捕れるのであれば、キープの楽さと異常すぎる生命力から、ムベンガの餌にもってこいだと思う。でも、こいつらが好む環境からして、まず刺し網では捕れないんだよなぁ。


代表その2、アフリカンスネークヘッド(学名 Parachanna insignisか、Parachanna obscure)。現地名ムングス。バンバ曰く「この辺りはムングスはあまりいない。もっと上流まで行くと大きなやつがたくさんいる」とのこと。首都の闇市では大きな個体が生きたままゴロゴロ売られているけど、それらはその上流域で捕って輸送してきたものらしい。確かに、マイピリ周辺でムングスを見たのはこれが始めてだった。


・・・コンゴ川で止水を好む魚と言われて、僕の中で想像がつくのはせいぜいクララとパラチャンナくらいかも。期待していたパントドンは見つからなかったけど、初めて見る魚もポツポツと。アフリカンナイフ(学名 Xenomystus nigri)。


スパイニーイールの一種。こいつは本流の流れの中でも見かけた。


これはテンション上がった、アフリカンパイクカラシン(学名 Hepsetus cuvieri)!


オオトカゲの赤ちゃんも。溺死したか、既に息絶えていた。



「ムスワロ君のマックスサイズ」

いつもムベンガ釣りの餌として活躍してくれているムスワロ君。いつも刺し網で調達しているのは、大きくても30cmくらいの個体ばかり。


マイピリ村を去り、ガベへ向かう道中、遠目で見ても結構デカいナマズを船に引き上げているおじさんを発見。近づいていくと・・・「ムスワロだよ」とおじさん。こんなデカいの初めて見た。


普段餌にしてるサイズのとは違い、悪そうな目つきしてる。ムスワロのマックスサイズはこれぐらいみたい。コンゴ川沿いの村人は比較的口にする機会の多い魚だけど、首都では高級魚でなかなか手に入らないとか。


ちなみに、こいつはデカくなるタイプ。市場で見かけたこのナマズ、一目見て、僕のコンゴ川アナザーストーリーの主役に抜擢!首都で延縄用フックが安かったので(マスタッド製)、このナマズを考えて100本買っちゃった(笑)


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