2018年3月22日木曜日

ムベンガ再戦 その2

【2018年2月4日】マイピリ滞在3日目(ムベンガ釣りはお休み)

 ガベからマイピリ村までの道中、スクリューに何かを巻き込んだようで、エンジンの調子がかなり悪い。だましだましで初日は釣りに出たけど、本格的に修理をしないと、この先の日程を乗り切ることは難しそうだ。というわけで、アモコがローカル船に乗ってエンジンを首都のブラザビルまで輸送し、2日かけて直してくることになった。他にエンジンを探したけど見つからなくて、今日はムベンガ釣りに出られない。ブラザへ向かうアモコを見送ってから(ホントに2日で帰ってくるのか、すげー不安・・・)、ミミズを調達して小魚釣りに出ることにした。


以前に記事で書いたことがあるけど、コンゴのミミズはちょっとヘン。日本のと全然違う。


無風でクソ暑い中、木をくり抜いたローカル船に乗り込み釣りに出る。あまりの暑さにバンバもテンション低め。村の海(川)坊主達は素っ裸で水浴び中。ちなみにこの村では大人が裸で水浴びをしていると、村長が怒り狂って飛んでくる。伝統的な何かで、子供は良くても大人はダメらしい。


今日のキャプテンは新顔のポンフィー。手漕ぎでマイピリ川を目指して出発した。道中、バンバがミミズの入った洗面器を、一眼を入れているバッカンの中に仕舞おうとしていて、全力で止めた。「暑いから、ミミズが弱っちゃう」・・・バッカンの中に入れて蓋した方が、蒸し焼きになって死ぬだろうよ。バンバ君、他のコンゴ人とは明らかに違うけど、たまーに振り切った形で「アフリカ」を発動させてくる瞬間があって、気が抜けない(汗)


 この日はミミズの調達にてこずって、村を出たのが昼前だった。「ザイールまで行って、ミミズをとってきてやるよ!」というおっさんが現れ、「ミミズを採るためだけに国境越えていくって面白いな」とお願いしたけど、結局いつまでたっても帰ってこず、見かねたポンフィーがサクッと調達してきてくれたのだ。はじまりからグダグダの一日だったので、書くこともあまりなく、写真だけで省略。

 マイピリ川はコンゴ川に流れ込む小さな川で、水が澄んでて綺麗。村人たちはここで水を汲み、飲み水にしている。僕らはコンゴ川でムベンガを狙って、その帰りにここで水浴びをしていた。水温もコンゴ川よりだいぶ低くて、ひんやり気持ちいい。


ミミズを餌に仕掛けを投入すると、現地で「サルディーン」と総称される地味目な小魚がポツポツと釣れてくる。



シクリッドの一種だと思うけど、ちょっとチョウセンブナっぽい。こいつらが浅場でネストを張ってて、ミミズを落としたら次々釣れちゃう。僕が釣ったのは全部リリースした(バンバは釣った魚全て船中に投げ込んでキープ・・・苦笑)


「数の暴力」とか言われたりするぐらい、日本のピンスポットで大繁殖しているテラピア君(これ、テラピアだよね・・・?違うかな・・・?)。マイピリ近辺ではレアフィッシュで、ほとんど見かけなかった。


流れの中にミミズを流すと、こいつがポツポツと。「これはローカルでなんて言う名前?」とポンフィーに聞くと、「ケンゴ、これはムベンガの赤ちゃんだ!」と言う。ちげーだろ(笑)


「ムベンガの赤ちゃんだ!」と騒ぐポンフィーにケラケラ笑っていたら、ホントにムベンガの赤ちゃん(15cmくらいの)が、ミミズに食ってきた!バレたけど。写真はないけど、この数日後にバンバもミミズで20cmほどのムベンガを釣った。幼魚時代はミミズでも何でも食べるみたい・・・あの獰猛さからしたら、そりゃそうか。


【2018年2月6日】マイピリ滞在4日目 ムベンガアタリ1、ウキバイト1

 今日はエンジンを借りることができ、餌も調達できたので、ポンフィーの操船でムベンガを狙って釣りに出ることができた。アツシポイントで、流し始めてすぐ、沖に流していたウキに小型のムベンガがバイト(ウキバイト、結構よくある)。次は昼前、手前側の仕掛けに来た。一気に糸が引き出されアワセるが、「ガッ!」と弾かれた感触があり、針掛かりしなかった。


【2018年2月6日】マイピリ滞在5日目 ムベンガアタリ2

 約束通り、アモコがブラザから帰還してホッとした。ポンフィーと僕ら3人で釣りに出た。コンゴ川は不思議な川で、刻一刻と流れが変わっていく。朝イチは全く流れが効いていなくてムベンガの気配はゼロだったけど、徐々に流れが出始めて、予感がしてきた。正午前、沖側仕掛けにムベンガがバイト。勢いよく糸が引き出されたけど、すぐに離した。仕掛けを回収してみると、餌にしていたザンダはズタボロになっている。


 次のアタリは14時頃。「バン!」とメインPEと船を縛っている輪ゴムがはじけ飛び、凄い勢いで糸が引き出されていく。長く送り込む意味がないような気がしてきていたので、竿を手に取り即ベイルアームを返すと、物凄い力が加わってきて引きずり込まれそうになった。バンバが肩を抑えてくれて、体勢を立て直す。流れに乗ってドラグを鳴らしながら一気に走った直後、沖で黒いムベンガが水面に浮いた!最初のヤツよりデカい!口じゃなく、体に掛かっている。
 ムベンガは水面で流れを受けてしばらく浮いていたが、水しぶきを上げ、再び水中へ消えた。・・・そして、それから二度と、浮いてくることはなかった。何と、川底に仕掛けがスタック・・・。


スタックしてからしばらくは魚が掛かっている感触があった。アモコがロープに岩を結んで、それを投げ込み、ムベンガを脅かして仕掛けを外そうと頑張ったが、ダメ・・・人間追い込まれたら頭が回る。脳ミソをフル回転させて即席の回収機を作り投入すると、一発で外れた!でも、ムベンガはもういなかった。ワイヤーにはムベンガ特有のヌルがこびりついている。しばらく膝が笑っていて、岩場に上陸してコケた。まともに歩けない。


悔しがるアモコに、「こればっかりは想定外だった。もう全部運だから、これからもベストを尽くして頑張っていこう!」と声をかけた。必死に何度も重たい岩を投入してくれたアモコに感謝を込めて、握手。


 その日の夜。アモコがどこからか大量のビールを調達してきて(僕は酒飲まない)、僕に向かって「you pay」と言った。・・・ハァ!??結局払わなかったけど、コイツ・・・。


【2018年2月7日】マイピリ滞在6日目 ムベンガアタリ1

 連日アタリが続き、ムベンガの気配が濃い。昨夜、「明日は釣れると思うよ?」とバンバが悟ったようなドヤ顔で言ってきたけど、「そんな簡単じゃないよ」と返した。・・・そんな僕の予感が的中したのか、今日は子ムベンガがひとかじりしただけ。夜が蒸し暑くてなかなか寝付けず、疲れが抜けない。


【2018年2月8日】マイピリ滞在7日目 ムベンガアタリゼロ

 この旅、初のアタリゼロの一日。やっぱり僕の予感は当たっていたようだ。ポイントの賞味期限があるような気がしてきていて、明日はアツシポイントより下流を見に行ってみることにする。

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