2018年1月24日水曜日

スリナム、怪物アニョマーラを探して その3

【2015.3.21】スリナム10日目

 翌朝目を覚ますと、兄ちゃんが昨日捕ったラバを捌いていた。内臓を野営地の目の前の溜まりに投げ込んでいて、水中は小魚達で騒がしい。


早速タナゴ針を投入して、珍魚釣りを開始!これまでのアマゾンでどこでもよく見かけた、モツゴのような形をした魚をゲット。黄色いボディーに黒い模様が入る。



一匹だけ釣れてきたシマ模様タイプ。別種かな(ブラジルでいうビャーウ・フラミンゴの幼魚)?これらの類は流れの中に居るらしく、仕掛けを重くして、流れに乗せて沈めてやると釣れてきた。


この川は派手な魚は少なくて、地味系が多いみたい。



珍魚釣りに夢中になっていると、早朝から猟に出かけていたダリックが帰って来た。鉄砲による獲物はなかったみたいだけど、昨日の刺し網も引き上げてきていて、なんと、昨日兄ちゃんのロープをブッチ切っていったアニョマラが掛かっていたと(笑)


そして、でっかいパクーも。絶命して黒ずんでいるけど、ホッペ~胸鰭あたりにかけて綺麗な赤が乗るタイプだという。


 さて、今日は上流のアニョマラポイントを目指して一日かけて遡上する。野営地の荷物を片付け船に積み込み、ポンコツエンジンでゆっくり川をのぼっていく。


浅くて流れの速い岩盤エリアに差し掛かり、3人で川に立ち込んで船を押す場面が何度かあった。結構な急流で、身の危険を感じつつ、だましだましで障害をクリアしてきたけど、半日ほど走ったところでどうしようもない滝が目の前に現れた・・・。


「この先に例のアニョマラポイントがあるんだけど、この水位じゃこれ以上上流へ行くのは無理だ」とダリックが言う。「この辺でもきっと釣れるさ。」・・・というわけで、今日からの野営地はこの岩盤地帯に決め、夜釣りに向けて餌となる魚を釣っていくことにした。


一投目、ピックアップ寸前に、スピナーに小さな銀色の魚が食いついた。お、ブラックじゃないっぽいピラニア。これも一匹掛けで餌にする。


その後、これまたよくわからないピーコックバスの幼魚が。シクラ・オセラリスの変わり種・・・?ダリック曰く、「アニョマラはツクナレを食べない」とのこと。本当か?と思いつつ、こいつはリリース。スリナムではピーコックバスのことを、「ツクナレ(ブラジル呼称)」「ルクナニ(ガイアナ呼称)」の両方で呼んでいた。


一番よく釣れてくるのはマトリンシャン。針掛かりするととにかく跳ねまくる。スピナーに敢えて大きめの針をセットして、ヒットしたらロッドを倒したまま一気に巻いて抜きあげていく。


餌集めに必死になっている最中、ふと足元の岩の隙間に目をやると、小さなアニョマラが。この直後にもう一匹発見して、この川のアニョマラの魚影の濃さを実感。


お昼ご飯は、朝一捕れたパクーのから揚げ+フレッシュペッパー!「あー、アマゾンだなぁ」と嬉しくなる美味しさ。


パクーのから揚げをつまみつつ、船をつけた目の前の流れに仕掛けを垂らすとブラックピラニアが連発した。


ブラジルの「ビャウー・フラミンゴ」のような魚も(同種かな)。これも一匹掛けで最高の餌になるだろう。



夕方、遡上を拒む滝を徒歩で登り切って上流へ行ってみると、マトリンシャンがめちゃくちゃ沸いている淵があった!スピナーの超高速巻きで確実に釣っていく。ダリックと兄ちゃんはアニョマラの手釣り仕掛けしかもってきておらず、彼らの分の餌も確保しないといけない。必死になって釣り続けた(ので、写真も残ってなかった笑)。スピナーを高速巻きで使うと、たまにピーコックバスも釣れてくる(シクラ・オセラリス?)


マトリンシャンの反応が薄くなり、激流の最下層フィッシュと思われるパイクカラシンが釣れてきたところで、餌収集は終わりにした。


マトリンシャンが爆釣してくれたおかげで、十分な餌が確保できた。一度基地に戻り、夜釣りの準備に取り掛かる。


 日が落ちる前に船で少し下流へ向かい、岩盤エリアのプールにやってきた。今夜はこの岩場で寝ながら、一晩中ブッコミをかけるのだ。昨日アタリが連発したこともあり、期待を膨らませつつ仕掛けを投入した。ロッド一本と手釣りの二刀流。少しでも確実を上げていく。


しばらくすると、ロッドの方の糸がスーっと動いた。昨日の夜釣りでは、アニョマラは食った直後にガンガン糸を引き出していくことが多かったので、ちょっと違和感を覚える。それから動きはなく、「小魚がつついたのかな?」と思っていると、足元にデンキウナギが呼吸しに上がってきた!「これは釣りたい!」急いでロッドの仕掛けを回収すると、「ビヨーン」って感じで、足元のデンキウナギも一緒になってあがってきた(笑)


どうやら、沖で餌に食って、足元まで仕掛けを運んできたらしい。色んな国で見かけはしていたけど、まだ釣ってなかったデンキウナギ。超嬉しい一匹!


目が小さくてかわいい顔つきをしてる。残念ながら、素手で触れる勇気はなかった・・・(笑)


日が暮れてからは、アニョマラと思われるアタリが連発した。が、中々針掛かりしない。食ってから走らせすぎてメインラインが岩にスレて切られ・・・を数回繰り返して、僕が手釣りで小さなアニョマラを一匹釣ったのみで、反応はなくなってしまった。


兄ちゃんと僕がアニョマラに苦戦している最中、ダリックは一人猟に出かけていた。ライトで川辺のジャングルを照らしながら、岸沿いに船を流し、暗闇に消えていったダリック。遠くで銃声が何発か響き、アニョマラの反応がなくなった深夜、僕たちのいる岩場まで帰ってきた。「ケン、これを見ろ」と言って、船に横たわる獲物を指さすダリック。思わず「は!!??」と声が出た。


「ジャガーは人を襲う。」というダリック。凄すぎるだろ・・・。


肉球がこんなん。この辺りのジャングルには多いようで、夜になると川辺を徘徊するとか・・・。その川辺で今夜、地べたで寝ようとしてるんだけど(汗)


ラバも2頭仕留めてきていて、どういうわけかラバの赤ちゃんも連れて帰ってきていた。「こいつはペットとして飼う」とのこと。


 それから対岸の岩場に場所を移し、そこで野宿することにした。岩のくぼみで仮眠を取りつつ朝まで粘ったけど、ブラックピラニアがポツポツ釣れたのみ。アニョマラの反応はどんどん薄くなっていった。


アニョマーラを探して その4に続く


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