2018年1月21日日曜日

スリナム、怪物アニョマーラを探して その2

【2015.3.19】スリナム9日目

 村に到着した翌朝、大雨の中、ダリックと、今回旅を共にする兄ちゃん(名前は忘れてしまった)と合流し、出発準備に取り掛かった。村から2時間ほど車で走り、本流に流れ込む支流へ。そこに繋いであるボートに乗り込み、本流のポイントを目指すとのこと。食料とガソリンを買い込んで、車に乗り込んだ。


ダリック(左の赤帽のアニキ)は瞳が青く澄んでいて、ふとした仕草、挙動が「本物」臭を漂わせる。


野営生活に持ち込む装備もガチ。道をふさぐ倒木を切り刻むためのチェーンソーや、


なんと、冷凍庫ストッカーをそのままドーン(笑)。野営中は電源はもちろんなくて、でっかい氷を詰めて持って行って、獲物をストックする冷蔵庫として使うようだ。「ここまでデカいのいるか?笑」と思っていたけど、ダリックは想定していたのであろう、後に衝撃の事実(獲物)が・・・。


「趣味はハンティングだ」というダリック。川への道中も、至ってフツーの速度で走り抜ける車の窓から上半身を乗り出し、ブッシュの中に潜む鳥や獣を見つけては、ライフルを構える。僕には全く見えないが・・・。


車を止め、ライフル片手に走り出したダリック。でも、撃たずに帰って来た。「美味い鳥を見つけたんだ。でも、ベイビーだったよ。」と笑うアマゾン男。昨日初めて会ったところだけど、もうこの時点で僕は彼を心から信用していた。


「ここでパンクしたらどうするんだろう・・・」とちょっと不安になりながら、ジャングルの中を突き進む。


ぬかるみをいくつも突破して、目的の本流に流れ込む支流に到着した!


繋いであった船に荷物を積み込む。と、「ドン!」という音を水中から響かせ、60cmくらいのアニョマラが船の下から逃げていった(笑)期待が膨らむ!


トロトロと走り出した。出発!


支流を15分ほど下るとすぐに本流に出た。今日はこの辺りで野営して、明日から本格的に上流の奥地へ向けて移動を始めるとのこと。



この辺りは流れで磨かれた大岩がゴロゴロしている。ダリックが言うには、この辺りでも十分アニョマラは釣れるが、上流はさらに魚影が濃いらしい。


早速フローティングミノーで探りを入れていくと、すぐにブラックピラニアとマトリンシャンが!ピーコックバスも2バラシ。現地民は、アニョマラと言えば夜のブッコミ釣りで、ダリック達も餌にするピラニアを釣ろうと言う。その後、ピラニアを数匹追加して、夜釣りに備えることにした。



餌調達の最中、ピーコックバスを狙ってTDペンシルを引いているとタカ(ワシ?)がチェイス!ルアーにアタックするが針掛かりせず、近くの岩に留まって様子を伺っている。少し間をおいてから再度投入するとヒット!


餌のピラニアを調達し終えて、少し下流に下って野営の準備に取り掛かった。日が暮れてから下流へ向かい、そこに繋いである別のボートで夜釣りに出かけるらしい。日が暮れるまでダリック達はハンモックに揺られ、僕は珍魚釣りに徹した。地味系なメンツがポツポツと釣れてきて、




日本のサワガニをそのまま強く、大きくしたような感じのカニさんも。仕掛けが軽すぎて、流れの下の層まで攻めきれなかった。明日移動前に仕掛けを作り直して、もう一度やってみよう。


日が暮れる前にジャングルの中を歩いて抜けて、


川辺にたどり着いた。そこからさらに川をジャブジャブ歩き続け、


ようやくボート発見!沈んでるけど・・・(笑)。仲間内で使っているというこのボート、「しばらく誰も来てないみたいだ。きっと釣れるぞ!」とダリックが言う。楽しみだ!


シンキング・ボートは珍魚たちの住処になっていたようで、船内から水を掻き出すと、プレコやパイクシクリッドの仲間などが出てきた。



そこから船に乗り込んで、30分ほど漕ぎ下る。途中大きな岩がゴロゴロしている深みに刺し網を仕掛けた。これもアニョマラ狙いだという。


昼間にとれたブラックピラニアと、ダリックが家の冷凍庫からもってきた魚をぶつ切りにして、シンプルに針だけの仕掛けでブッコむ。流れの全くない溜まりで岩がゴロゴロしているポイント、オモリは必要なかった。


川の真ん中に顔を出す岩に上陸して、そこから仕掛けを投入してアタリを待った。


ダリックたちはロープによるブッコミ。ワイヤー替わりに極太の針金を使っている。ダリックはロープ仕掛けを投入して岩に縛り、ライフル片手にジャングルに消えていった。


仕掛けを投入してすぐ、自分の竿にアタリが来た。糸がスルスルスル・・・と走っていく。大アワセを入れるけど、当時使い始めたばかりの左ハンドル、あまり決まっていなかった。足元まで寄せてエラアライ一発で外れてしまった。

それからは兄ちゃんにアタリが連発した。ロープを岩に縛り付けていて、そこから一気にブチ切られたり、中々フッキングが決まらなかったり、抜き上げで落としたり(タライロンは口が固く、兄ちゃんが使う針も針先がかなり鈍っている)。でも、一本捕った!


70cm後半くらい?やっぱりタライロン、究極に良い魚。カッコイイ!


自分も何度か掛けたけど、ロッドアクションとフックの太さがアンバランス過ぎて、フッキングが決まらない。良さそうなヤツを2本、足元まで寄せてバラシてしまった。「腹まで飲み込ませてからアワセろ!」と兄ちゃんが言うけど(笑)、食ってから送り込みすぎると、メインライン(PE10号)が岩にスレて切れてしまう・・・なかなか難しい。苦戦していると遠くで銃声が鳴り響いて、ダリックが「ラバ」というネズミを仕留めて帰って来た。


ダリックの仕掛けを回収しようとすると、やはりこちらにもアニョマラが食っていて、僕が大アワセを入れ、手繰り寄せる!けど、これも抜き上げで落ちてしまった・・・。

 11時頃まで頑張ったけど、活性が高かったのは夕方からの数時間。徐々にアタリが遠のいて、野営地に帰ることにした。仕掛けてあった刺し網をチェックすると、中型のアニョマラが掛かっている!


今日の獲物たち。


「明日はさらに魚影の濃いところまで遡上するから、きっと釣れるぞ!」とダリック。今日は完全に負けたけど、楽しくなってきた!野営地に帰り、ダリック達がハンモックに入ってから、ひとりで川を見に行った。浅場を照らして回ると、すぐに小さなアニョマラを2匹発見した。手づかみしようとしたけど逃げられ、明日に備えておとなしく体を休めることにする。

アニョマーラを探して その2に続く

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