2017年8月4日金曜日

俺はウグイとウグイの仲間たちのファンだぜ。 ヤチウグイその1

 ウグイ、マルタ、エゾウグイ、ウケクチウグイ。日本には4種のウグイがいる(厳密には、マルタでなく、ジュウサンウグイ種で、そのなかにマルタとジュウサンウグイの2亜種が・・・というちょっとややこしい感じ)。すでにこれらは釣獲済みで(本ブログでは触れていないけど、過去に多摩川純マルタ、阿賀野川水系のウケクチウグイも釣った)、ウグイ属グランドスラムは達成した。誰も興味なさそうだけど・・・(笑)。

ウグイ Tribolodon hakonesis


マルタ(ジュウサンウグイ?オホーツク降海個体) Tribolodon brandtii


エゾウグイ Tribolodon sachalinesis


ウケクチウグイ Tribolodon nakamurai


さらに、日本の淡水魚において「ウグイ属」から「ウグイ亜科」に視野を広げると、ウグイ4種に加え、「アブラハヤ属」のアブラハヤ、タカハヤ、ヤチウグイが入ってくる。ヤチウグイ・・・ “ウグイ”と言えど、アブラハヤの仲間らしい。北海道固有種で、現在では準絶滅危惧とされる本種、以前から「そろそろ探してみようかな・・・」とぼんやり考えていたが、なかなか行動に移せずいた。

 ウグイをクローズアップしてやり込んだ今期、これも良い機会かも。重い腰を上げ、ヤチウグイの生息地を探してみることにした。


【2017.7.10】

 さて、ヤチウグイを探すといっても、まったくアテがない。とりあえずネットで検索をかけてみると、「●●湖でヤチウグイ発見」というブログ記事を見つけてしまった・・・。夜中に数十キロ林道を攻め、日の出前にその湖に到着する予定が、林道沿いの山が崩落し、道が土砂で埋まっていて、これ以上前に進むことができない・・・。


「でも、ここで釣ってアッサリ終了、じゃなくてよかった。」ヤチウグイ探しの旅が始まった瞬間だった。


【2017.7.20】

 グーグルアースとにらめっこした末、道北エリアに照準を定めた。ひとり夜中に車を走らせ、目的の沼に到着したのはAM 3時半。薄明るくなってから沼を一望する。比較的クリアな水色で、水生植物も豊富、理想的なフィールドだ。


道中、ガサガサで調達してきたスジエビを剥き身にし、小さな袖針にちょこんと掛ける。ドキドキしながら仕掛けを振り込むと、即座に玉浮きが踊り出した!スッと竿を持ち上げると、ほんとに小さな、薄茶色の魚が仕掛けの先で踊っている・・・!「ヤチウグイきたーーーー!!!」


指先と比較したら、魚の小ささがよくわかる。でも、この小ささでも、オーラを纏った不思議な魚だった。この魚、実物を目の当たりにすると、はっきりとその良さがわかる。本当に感動した!


 「ヤチウグイ、一匹いるならたくさんいる系の魚だろう」というわけで、この沼での数釣りはのちの楽しみとしてとっておいて(色んな個体を見たい)、他の沼を見て回ることにした。しかし、農家の敷地内にある沼がほとんどで、なかなか近づけない。唯一竿を出せた沼、水面が水生植物で覆われていて、その中に仕掛けを落とし込むとすぐにアタリが来た。ヤチウグイだったが釣り落して、以降は反応がなくなってしまった。


それから数か所、グーグルアースでピックアップしていた沼を見て回ったのみで竿を出すことはできず、午後には結局、最初の沼に戻ってきた。よくよく水中を見ていると、でかいタニシが結構いる。たまたま針掛かりしてきたので、これを潰して刻み、餌にした(部位によっては針持最高)。


沼には河川から水路が繋がっており、その流れ込みに仕掛けを漂わせるも、無反応。ヤチウグイはあまり流れが好きじゃないらしい。岸際の水生植物の中に隠れているらしく、草際に仕掛けを落とすと、「ポチャン」という音に反応して、玉浮きにワッと群がってくる!釣れてくるヤチウグイ達、かなり個体差があって、見ていて飽きない・・・。





鰭が赤く染まっている個体とそうじゃないやつがいたけど、婚姻色なのかな?ヤチウグイと思われる稚魚がたくさん群れていたけど、産卵期とかあるのだろうか、気になる。


一応、MV-55でね(笑)。バーリトゥード!


この沼は小型個体ばかりのようで、針掛かりさせるのになかなか苦労した。リズムに乗ってからワーッと十数匹釣り、観察してからリリース(バッカンにブクブク入れて一時キープしていたら、皆色が飛んでしまいました)。


ヤチウグイ、ほんとにいたなぁ。(自分にとっての)未知との遭遇は、やっぱりいいもんだ。久しぶりにドキドキさせてくれた出会いでした。


でも、ヤチウグイ、これで終わりじゃない。生息フィールドによってかなり変異が見られる本種、次は大型個体を求めて、開拓は続きます。

ヤチウグイその2に続く

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