2017年3月22日水曜日

ベネズエラ・オリノコ水系釣行記その11

 【2014.4.2】ベネズエラ釣行15日目
 
 翌朝目を覚ますと、キャンプ地の前で既にルイが竿を振っていた。遠目で見ていると、次々竿を曲げ、パヤーラをランディングしている。カンパメント・アットゥーシ、激流域は殆どなく、パッと見はあまり良いポイントには思えないけど、あちこちで水中に沈む岩が複雑な流れを作り出し、パヤーラの好む環境となっているようだった。
 

こうしちゃいられない!と、早速釣り開始。ルイの横で投げ始めると、ガツガツと永遠にアタリ続ける。水中には凄い数のパヤーラが群れを成しているのだろう。ルイと共に何匹か釣り、朝食をとった後、昨日ルイが釣りまくっていた上流のポイントへ歩いて行ってみることにした。

 
そして、そのポイントが凄かった。大きな岩が作り出す反転流にFマグを放り込むと、1キャスト数バイト。「ガン!」ときてバレ、そのまま巻き続けると再び「ゴン!」・・・もう、お祭り状態。古田君はキャンプ地から持ってきたルアーを全てブチ切られて続行不能に(笑)。


 
しかし、僕のFマグも岩場に引っかかり、一時釣りを中断。ナマズ釣りに行くというエリオスに船に乗せてもらい、引っかかったルアーを回収した後、エリオスに同行し上流へ向かった。キャンプ地前でルイが手釣りで釣ったウグイのような魚と、縞々の魚。「餌がこれだけしかないから、途中で調達するぜ」とエリオス、船を岸辺に括り付け、歩いて小さな支流に入った。
 
 
おもむろにペットボトルで即席ビンドウを作り、パンをちぎって水中に沈めるエリオス。餌の匂いに小魚が発狂し、次々とビンドウに吸い込まれていった。アマゾンでおさかなキラーとかブッコんだら、面白いだろな。


でも、餌、ちっちゃくね?と思っていると、「クルビーナにはこの小魚がベストだ」とエリオスが言う。クルビーナとは淡水イシモチのこと。ベネズエラにもいるんだ!後にブラジルで食べたけど、これもまた特に美味い魚。エリオスのモチベーションはそこにあるようだ。

 
そしてやってきたのは、ほぼ止水のワンドのようなポイント。エリオス、完全にクルビーナに狙いを絞っている気がするな・・・(笑)。とにかく仕掛けをブッコんでみるけど、ここも根掛かりが多発。僕もクルビーナ狙いでライトな仕掛けにしてみると、小さなアタリはあるけど掛からず。古田君にもナマズっぽいあたりはあったけど、こっちもノラズ。そうこうしているとエリオスが何か掛けた。

 
ライトなスピニングロッドで巧みに魚をいなし、水面に姿を見せたのは良いサイズのジャッキー!


で、なぜか上流のインディオ村から同行してきたパワー系お姉ちゃんが本命のクルビーナを手釣りでキャッチ!速攻、こん棒でぶっ叩いて〆る(笑)


クルビーナ、綺麗な魚だ。


それ以降反応はなく、キャンプ地を通り越して下流へナマズを狙いにいった。ポイントに着いてみると岩が転々と水面から顔を出し、パヤーラのポイントとしても良い感じ。一人船を下り、川の中をざぶざぶ歩いて探っていった。一匹小さなパヤーラをキャッチした後、「ゴン!」とアタリ、トルクフルな引き。寄せてくるとモロコットだった!口が小さいため、なかなかボガがハマらず手こずっているとホセが銛を持って飛んできた(笑)。ぶっ刺して確保!

 
そうこうしていると、上流から真っ黒な雨雲が近づいてきた。急いでキャンプ地に引き返すも、到着したときにはザーザー降り。エリオス達はハンモックに避難したけど、上流のパヤーラ爆釣ポイントが気になる・・・。というわけで、大雨の中、ひとりで歩いてパヤーラの様子を見に行ってみることにした(古田君は「デカイの釣れたら持ってきて」と、ポイントを譲ってくれた)。
 大雨の中、濡れてツルツル滑る岩場を歩いていき、午前中のパヤーラポイントにたどり着いた。数キャストするが反応はなく、そこより少し上流の流れを攻めると祭りが始まった!とにかく釣れまくる。バレて魚の口元からルアーが外れた瞬間に「ゴン!」とか、小さなパヤーラが掛かると、それに大きな個体がバイトして来たりとか。大雨の影響か、もともとおバカなパヤーラがさらに発狂して超バカになっているようだ(笑)僕のほうも狂ったように釣り続けた。



友人からもらったレッドフィンが牙によって破壊され、ブラジル製ミノーにチェンジ。その一投目だった。高い足場から竿を立て、水面直下を泳がせてくるともんどりうって出た。フッキング直後、水面を割って出た「鬼」を目にして、足が震えた。「デカ・・・!!」最初のジャンプ以降は大した抵抗もみせず、すんなり足元まで寄ってきた。入水し、ボガをはめ込む。魚をぶら下げ、滑る岩場をふらふらしながら歩き、キャンプ地に戻った。

 「恐ろしくデカイね!!」と古田君。ありがとう、君のおかげだよ。


「ケン、パヤーラ、カンピオン!!」とみんなが祝福してくれた!


僕にとって、この遠征は、このパヤーラで完結した。気が緩んだせいか、夜は酷い頭痛に見舞われる。燃え尽きた僕を一人残し、古田君たちは雨上がりの夜の川へ出撃していった。
 
 ハンモックで休んでいると、古田君が起こしに来た。「ケンちゃんと同じくらいのトルーノ釣れたから、写真とってくれ」・・・寝ぼけていたせいで、「は?俺(の身長)と同じくらいのトルーノ・・・!??」と混乱したけど、魚を見に行ってみると、僕(がFマグで釣ったのと)と同じくらいのトルーノがロープに繋がれていた。

 
古田君、最後の最後に、お互い、この遠征を締めくくれたね・・・あと、ピライーバはいなさそうだね、この川・・・(笑)

 
他にも、小型が2匹。一番デカイヤツにはブチ切られたらしい。またいつか、リベンジしなくちゃね・・・!

 
既に日付が変わり、0時過ぎ。奥さんがモロコットのスープを温めなおしてくれた。ヘッドライトに集る羽虫がスープにダイブし続けるが、そのまま気にせず飲む。皆起き出してきて、「ケン、パヤーラ、カンピオン、アットゥーシ、トルーノ、カンピオン!」と祝福してくれる。幸せな気持ちに包まれつつ、楽しかった一日が幕を閉じた。明日からは本格的に下流に向けて移動となる。
 
ベネズエラ釣行記16日目に続く

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