2017年3月24日金曜日

ベネズエラ・オリノコ水系釣行記その12

 【2014.4.3】ベネズエラ釣行16日目
 
 この日から移動に重きを置き、釣りは片手間となった。早朝だけ、昨日デカイのを獲ったポイントに入ってみたけど、小型のパヤーラがポツポツと当たるだけ。しまいには、これまで姿を見せなかったブラックピラニアが釣れてきた。完全に、このポイントの賞味期限は切れてしまったようだった。
 
 
キャンプ地に戻ってくると、荷物は殆ど船に積み込まれていた。川沿いの岩盤を歩いていると、何か、巨大な動物の骨が落ちている。よくよく観察すると、ナマズのような歯が・・・ルイによると、トルーノの顎の一部だという。ルイは40kgクラスは手にしているが、それより大きなトルーノにも何度もブチ切られているらしい(タックルがしょぼすぎるから、仕方ない・・・)。夢があるね!

 
そして、カンパメント・アットゥーシを後にした。今日はコクイサスまで移動する。道中、たまに良い流れがあると船が止まり、Fマグで探ってみるが、小型のパヤーラがポツポツと。正直、もう燃え尽きてしまっていて、あまりやる気も起きなかった(笑)。
 
 
遠征初日、古田君が2本獲ったポイントまで下ってきた。ブラジル製ミノーを巻いてみると、ゴンときた。パワー系お姉ちゃんが銛で一突き・・・(笑)
 
 
カンパメント・アットゥーシからコクイサスの道のりは、とにかく長かった。目的地に到着したのは既に夕方、操船のエリオスは疲れ果てている。船に座っていただけの僕もかなりの疲労感を感じていたけど、「夜は最後のナマズ、ブッコミをかける!」という古田君、容赦ない。半分寝ながらブッコんでいたけど、アタリは全くなかった・・・
 
 【2014.4.4】ベネズエラ釣行17日目
 
 遠征最終日。この日はほぼ移動のみ。道中インディオさんの村に立ち寄り、キャッサバパン作りの過程を見せてもらったり、村の小学校を覗いてみたり。
 

ルイがインディオ村に立ち寄った理由は、コレだった。ピメンタ(唐辛子)から作った調味料。よくよく見ると、なんとアリンコがたくさん浮かんでいる。蟻酸を利用した(?)インディオ村でしか手に入らない調味料らしい・・・!味の方はというと、コチュジャンっぽい。ルイの娘(けっこうギャル系)なんかは、スープや米、キャッサバパン等、なんにでもかけて食べていた。おしゃれな若い女性がごくフツーにアリンコまみれのパンを頬張る光景はちょっと普通じゃない。僕も習って色んなものにかけて食べていたけど、癖になる味。

 
その後の道中は、船を止めてみんなで水浴びをしたり、


ルイはおもむろに釣りを始めたり。


町に近づいたところでちょっと竿を振ってみた。本流から中州によって枝分かれする支流の入り口、ミノーを通すとビックーダが釣れてきた!ベネズエラのビックーダ、一般的にブラジルやガイアナなんかで釣れるやつよりも寸詰まりでコロコロした印象を受ける。

 
そして夕方、町まで帰ってきた。夜はルイの家でセルベッサパーティー。町の仲間たちが集まって、楽しい夜は更けていった。


これにて、10日間のピライーバの幻影を追う遠征は終了!現地の皆さんはもちろん、この旅を提案してくれた古田君には感謝しかねぇ。4年前、えりも岬で彼と初対面、セイコマの焼き鳥を買い込んで、公園の駐車場で飲んだ夜を思い出すよ。

そしてこの旅の5か月後、古田君はこの地を再訪。テレビカメラの前でトルーノを獲って彼の旅を締めくくった。

 
僕もいつか、この河に帰ろうと強く思う!
 
 【2014.4.6】ベネズエラ釣行18日目
 
奥地遠征から戻り、古田君が首都へ向けて出発するまで、少し余裕があった。暇を持て余し、もう一度ガルシアのおっさんに声をかけてパボーン釣りにトライすることにした。

 
前回と同じ湖までやってくると、今回はちゃんとカヌーが係留されていた。気を抜くとすぐにひっくり返りそうな、木をくりぬいたカヌーに3人で乗り込み、岸際を撃っていく。
 1年前に古田君がこの湖を訪れたときは、Fマグやレッドフィンで結構釣れたのだという。でも、なんだか渋い感じ。保険として持ってきていたシュガーミノーに変え、ロングジャークで探っていくと、手首をひっくり返され、直後、水面が爆発した!コブがちょっとでた、ツクナレ・アスー!

 
それからは快釣!程よく反応があり、同じパターンでパッカ型もキャッチ(アスーもパッカも、学名はキクラ・テメンシスだよ)。僕も古田君も、10日間の奥地遠征で確実に太ったな(笑)。奥さんの飯がうますぎて・・・。
 
 
もうちょい大きなアスーをバラシたりして、その後もポツポツとキャッチ。
 

そして、もう一種釣れたのが、ボーボレータなどと呼ばれる、キクラ・オリノセンシス!水の色が薄い白濁色だったせいか、ちょっとブルーがかってて、これはこれで美しい。

 
古田君はTENGAを改造した巨大ポッパーを投げ続けて、タライラーが1バイト(笑)。この日の釣りがベネズエラ最後の釣行となったのでした。

マラリア後日談
 
 この後も自分は1カ月ほどベネズエラを旅して、別の河に巨大タライロンを探しにいく予定だったけど・・・古田君と別れてから歩けないくらいの頭痛に見舞われた。頭痛が始まって5日後の夜、シウダーボリバルまでなんとかたどり着き、翌朝病院へ。即入院したけど、血液検査の結果が出るのにさらに3日かかり、結局予想通りの「熱帯熱マラリア」。前身がむくみ、身体がパンパンに腫れ上がり(お腹がぼっこり出て、「餓鬼」のようだった)、顔面は赤黒い内出血&なぜか玉の皮が全部剥けた・・・

 「もしかして、死ぬ・・・?」と本気で思っていたけど、2週間の入院の末、何とか回復することができた。病院食が喉を通らなくて、水も飲むのがやっとで、言葉が通じないから放置されて・・・そんな中、大使館から連絡を受けて病室に駆けつけてくれたのが、シウダーボリバルに住むEさん。持ってきてくださった味噌汁を一口飲んで、涙が出た。

Eさん家族が僕の病室に泊まり込みで看病してくれて、退院した後も帰国まで居候させてもらい、歩く練習(リハビリしなきゃ歩けないくらい体が弱り切っていた・・・)に励んだ。もう、命の恩人。Eさんがいなかったら、どうなっていたかわからない・・・。

 
というわけで、Eさん家族に会いに、お礼をもう一回言いに、ベネズエラには帰らなくちゃいけないんです。色んな人に迷惑をかけたけど、この旅は僕にとって一番思い入れのある旅となりました。

 「蚊とか、おらんすよ。余裕っす」という後輩がいても、南米へ釣りに行くなら絶対マラリア予防薬は飲みましょう(笑)この時は、僕、古田君(帰国後発症)、ルイ、ルイの奥さんが熱帯熱マラリアに・・・。こんなことなかなかないとは思うけど、対策は常に万全に、という教訓を得ました。釣り旅にチャレンジするなら自己責任で、命第一、釣果第二で楽しい旅をしてくださいね!

ベネズエラ・オリノコ水系釣行記 終わり。

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