2017年4月7日金曜日

遡上アメマスを探す その7

【2016.10.30】
 
 遡上アメマス探しも時期的にもそろそろ終わりかな、と思っていたタイミングで、北海道キャンパーTさんから釣りの誘いがあった。日々独りで山奥に分け入り、渓流を開拓しているTさん。夏には何度か秘密のポイントに案内してもらい、良い釣りをさせてもらった。というわけで、今回は遡上アメマス狙いで僕が案内役を買って出たのだった。
  珍しく「湖も行きたいんだよね」とTさん。早朝、ニジマス狙いで屈斜路湖に立ち寄った。真っ暗な内に目的のインレットに到着したが、既に先客が2名・・・。正直言って僕は北海道のニジマスに愛着がない。加えて、「何もない沖に向かって、ひたすら投げて巻くを繰り返す」という、最も苦手とする釣り。これは辛い・・・(笑)
 
 
そうこうしている内に釣り人が増え、15人はいるだろうか。周りで2、3本揚がったタイミングで、僕が投げていたチタラにもチビニジが食ってきた。屈斜路湖のニジマスらしく、ギンギンでちょっとカッコイイ。
 
 
長靴が凍り付く中、投げ続けたがそれっきりだった。そして日が昇り、タイムアップ。一気に移動し、遡上アメマスの沢を目指した。
 
 
まずやってきたのは前回U君が70オーバーを獲った山奥の渓流。空気はキンと冷たく、倒木から顔を覗かせるユキノシタもカチンコチンに凍っていた。

 
 まずは、前回U君と脱渓した地点から入渓し、さらに上流の未開拓エリアを開拓してみることにした。入渓地点で大型の遡上アメマスの姿を見つけたが、全く食い気が無い。「まだまだ、これからですよ」と上流へ進んでいくが、30分も遡行したところ、なんと、超巨大な堰が現れた・・・絶望。堰下でTさんが残留型と思われるアメマスを一本釣ったが、大型アメマスの姿は一切ない。
 Tさんの要望で堰の上を少し調査してみることにした。巨大な堰を越えてしばらく歩くとまた堰、堰、堰。これより上流は死の川となっていたのだった。そんな中、懸命に生き抜くオショロコマが少数いることが確認できた。

 
 引き返して前回U君が釣った淵周辺をチェックしたけど、群れていた遡上アメマスの姿は消えていた。既に産卵を終えて川を下ったのだろうか。
 下流へ進んでいくと、前回一匹だけ大型アメマスを確認できた倒木ポイントに到達した。そっとのぞき込むと、その倒木の下に、巨大な影がユラユラと・・・数十匹の大型アメマスが固まっていたのだった。それも、大きなもの80cmは超えていそう・・・。

 
 倒木の奥の奥に入り込んでいるため、正攻法では手も足も出ない。Tさんが上流側からミノーを流し込むが、オープンエリアにステイしている小型のアメマスに横取りされてしまった。結局、ブッシュに潜む巨大アメマスには振り向いてもらえず、この渓流を後にしたのだった。
 
 そして、やってきたのはもうひとつの遡上アメマス川。あまり時間もないため、一番魚影の濃いエリアに直接入渓する。最初の溜まりでは群れる残留型アメマスに交じり、大き目の個体がステイしているのが見られた。魚の鼻っ面に落としてちょこまかとやると食ってくるが、Tさん、細かいことができない(笑)普段、「投げて巻く」だけで、場所の力で誰よりも魚を釣ってくるスタイル。異常な体力と開拓精神によって釣りまくっているのだ(それが、本物の「釣り人」だと思う)。
  
 「もっと上、開拓してくるわ!」と上流へ消えていったTさん。「そもそも、遡上アメマスをターゲットにしたのが間違いだったかな・・・」と思いつつ、ステイしているアメマスにチタラミニでちょっかいをかけてみる。残留の大型個体?微妙なラインのが2匹と、ピンク斑の、完全な降海型個体が2匹。チタラ、強い(笑)
 



 
 上流からTさんが帰ってきてから、下流の本命ポイントへ移動する。前回大きな群れが溜まっていた淵の少し下流側から入り、一応、流れの中を探りながら釣り上がっていくと、Tさんのミノーに大きなアメマスが数匹チェイスしてきた。
  このエリアにアメマスがいることは想定外だった。どうやら産卵を終え、着き場が少しずつ変化してきているようだ。それも、ただ巻きのミノーにもチェイスしてくるぐらいの食い気があるらしい。しかしTさん、巻くスピードも速い(笑)。食いきれずにUターンしていく大きなアメマス達・・・。
 
 
Tさんのミノーに追いがなくなってから、チタラミニをゆっくりリフト&フォールしつつ流れに乗せると・・・一発なんだな。細長いメス、産卵を終えてお腹ぺちゃんこ。


そして本命ポイントの淵に到達した。Tさんに先攻してもらうと、やはりただ巻きのミノーにも追ってくるが、なかなかヒットに繋がらない。淵の手前に倒木が入っており、ルアーを川の流れに乗せつつ糸をコントロールし、倒木をかわして淵の奥に流し込まないとヒットしない状況。そこまでルアーを送り込めれば、エンドレスに釣れる感じだったけど・・・。





 
 
ピンクの斑点が美しい。産卵前後のちょっとしたタイミングの違いで、ルアーへの反応が激変することを実感できた釣行だった。
 
 帰り道、激流エリアに寄り道する。Tさんがヘビーシンキングミノーを激流に投入し、数投目。産卵終わり、体力の回復した綺麗なアメマスが釣れてくれた。


これにて2016年の遡上アメマス調査は終了。たくさんの美しいアメマス達に出会えて、よかったなー!この年歩いた川は封印して、地道に新規開拓を続けていこうと思います。

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