町の港から出船し川を下ること約2時間、キャンプ地に到着した。親父達が漁の準備に取り掛かる中、キャンプ地前から自作ペンシル「バンニェイロ」を投げているとヤマセミがバイト&ヒット!
キャンプ地を設営後、親父と船に乗り込みはえ縄を仕掛けにいく。餌はまだ準備しておらず、どうやら今は仕掛けを沈めにいくだけのようだ。
今回使うはえ縄は、だいたい100本1セット×4組。針と針の間隔は約50cmで、そう考えると端から端までの長さは50m程。はえ縄の両端に大きな岩をくくりつけ、等間隔で小さめの石を入れ、浮き上がりにくくする。そして50mのはえ縄を半分くらい沈めると、船のエンジンを回し、川の流れで相当な負荷がかかる中、道糸を限界まで引っ張る。親父のこだわりらしく、とにかく仕掛けをピーンと張らないと気が済まない。そして、道糸のロープブレイク×2回・・・笑。この時は「親父、なにやってんだよ!」と笑っていたけど、後に仕掛けをピンと張ることの重要性を実感することになる。
切れたロープを結び直し、無事仕掛けを投入してからキャンプ地に戻ると、親父の手下の兄ちゃんたちが餌の小魚を捕まえてきていた。餌は日が暮れてから付けにいくらしく、親父達はハンモックで休み始めた。
夕方、ピーコックバスを狙って釣りに出てみた。岩場にトップ系ルアーを通して探っていくけどあまり魚っ気がない。日暮れ直前になりポツポツバイトが出始めるも、アタってくるのは小さなビックーダとカショーロのみ。それも結局キャッチに至らず、小塚さんがビックーダを一本釣って日が暮れた。
キャンプ地に戻り、再び親父と出撃する。下流に2セット、上流に2セット仕掛けたはえ縄、それぞれ二手に分かれて2艘の船で餌を付けに向かう。僕と親父が上流へ、小塚さんと兄ちゃんたちが下流へ向かうことになった。
「せっかくだから餌付けから自分でやろう」と思っていたけど、そんなことを頼める雰囲気ではなかった。親父は普段はヘラヘラした気の良いおっさんだったけど、餌付けを初めて顔つきが変わった。ピーンと張ったはえ縄の道糸を船の先端にヒッカケ、仕掛けを手繰りながら船をスライドさせ、針に餌を付けていく。「この一連の動作をスムーズにするため、ロープを限界まで張っていたんだ!」と激しく納得した。
頭にくくりつけたライトに羽虫が集る中、黙々と餌を付けていく親父。しばらくすると一瞬動きを止め、「アハイヤ」と呟いた。(※アハイヤ=エイのこと)
は!?なんで餌付けてないのに掛かってるの!??よく見るとこんな小さなはりにスレ掛かりしている。こっちは相当驚いたけど、親父は淡々と網で掬い上げた。そういえば親父、餌を付けに出船するとき、わざわざ網を船に積み込んでいた。親父の落ち着きっぷりからして、恐らくいつも餌ナシの仕掛けにスレで掛かるのだろう・・・不思議だ。円盤を縁取るように小さな白いドットが並ぶ。これが、“ダイヤモンド”ポルカだ!
すぐに親父が毒針にチューブを被せる。水槽の中ではおなじみの光景。
それからしばらく進むと、またスレで掛かっている!今度はモトロの大型個体。こいつは船に上げることなくリリースされてしまった。ちなみに、現地名はそれぞれ、ポルカ(Potamotrygon leopoldi)が「レオポージ」、Potamotrygon motoroが「モトロ」。
さて、餌を最後まで付け終わりしばらく待機かと思いきや、すぐに折り返してチェックしていく。するとすぐに3匹目が!
これもダイヤモンド。捕れたエイは船のいけすでキープされ、僕はせっせと水を替える係。
そしてまた掛かっている、4匹目!こいつは特にデカく、網に収まりきらない。
キャンプ地に持ち帰ってから小塚さんと写真を撮ろうと思い、いけすにいれようとすると親父が怒り出した。ポルトガル語で全部は理解できなかったけど、どうやらレギュレーション的なものがあって、キープできるサイズが決まっているらしい。残念だけどその場でリリースした。大型個体は、北海道のアメマスと一緒で、斑点がドーナツ状になってくるようだ。
一往復したところでもう一組のはえ縄に餌を付け始める。こっちもスレでいっぱい掛かってるんじゃ・・・?と期待したけど、何事もなく餌を付け終え、一往復してダメだった。一度キャンプ地に戻る。
キャンプ地に戻ってくると、いつの間にかエイをキープするためのいけすが設置されていて、中には小さなポルカが一匹入っていた。小塚さんチームが捕ったのだろう。一度戻ってきて再度出撃したようで、彼らの帰りを待つ。
その後再び仕掛けチェックに行ったけど、最初のラッシュに反して一匹も掛かっていなかった。走行している内に雷が鳴り始め、急いでキャンプ地に戻る。基地に着くと同時にすごい勢いで降り始めた。僕らのキャンプは雨対策を全くしておらず、急いでビニールシートを屋根に張る。雨は一向に止む気配がなく、湿った地べたで一夜を明かすことになった。
“ダイヤモンド”ポルカドットスティングレイを追って その3に続く
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