2017年3月6日月曜日

ベネズエラ・オリノコ水系釣行記その8

【2014.3.28】ベネズエラ釣行11日目

 起きてすぐ、ルイ、エリオス、ホセと共に船に乗り込み、キャンプ地よりほんの少し上流にあるというポイントを目指し出て発した。エリオスの操船で激流を超え、砂浜に船を留める。ここから川沿いに歩いて、さらに上流へ向かうらしい。ルイは船を止めたと同時に、おもむろにルアーをキャストし始めた。「俺はここでやってるから、若者たちよ、釣ってきなさい!」


エリオスに続き、僕らも上流を目指す。川沿いにゴロゴロしている巨大な岩をよじ登って、


時には岩の隙間に潜り込んで、上流へ進んでいく。


岩隙間から少しだけ水面が見える。エリオスとホセは巨大なナマズは手釣りで、こんな隙間から糸を垂らして狙っていた。仕掛けを沈め、チョイチョイと誘いを入れながら探り、反応が無ければ次のスキマへ…岩に張り付くナマズをねらうには、普通にブッコミをやるよりも効率が良く、理に適った釣法だった。彼らのラインは弱すぎて、ブチブチ切られまくっていたけど…(ベネズエラの田舎では釣具はなかなか手に入らない)。


岩場を抜け、現れたのは超激流。すごいポイントだ!!落ちたら助からなさそう…。


早速CDマグナムを流れに放り込むと「ガンッ!」「ゴンッ!!」とパヤーラのアタリが連発する!何本かバラシた後、一本だけランディングできた。


パヤーラはそんなに引きの強い魚ではないけど、激流に乗ってダッシュされると焦らされる。さらに、川の流れで磨かれた岩場はツルツル滑って足場が安定しない。この後に掛けたパヤーラにはガンガン下られ、魚を追いかけて自分も走ったが、大岩に行く手を阻まれてバラシてしまった。

その大岩を乗り越え、何気なく下流側へキャスト。激流の中をゴリゴリ巻いてくると、「ドン!」と来た。パヤーラとは引きが違う気がして、違和感を覚えながら寄せてくると、CDマグナムを咥えて激流の中で定位するナマズの姿が目に入る。ランディングしてびっくり、なんだこいつ!


現地名「バーグレイ・ティグレー」。スペイン語で、バーグレイはナマズ、ティグレーはタイガー。「こんなナマズいるんだ!」いかにも、泳いでます!って感じのカラダしてんなあ。

当時は知らなかったけど、こいつはPlatynematichthys notatus、熱帯魚界では「フィダルゴ」と呼ばれている。輸送が難しく、マニア垂涎のレアナマズらしい。この激流で、パヤーラと同等にルアーにアタックしてくるのだから、その遊泳能力は凄まじいものだろう。輸送が難しいのも納得がいく。髭が平べったくて、きしめんみたいで可愛い。

珍ナマズの登場にハイテンションになっていると、ピライーバの幻影を追う古田君のロッドがブチ曲がっている。ナマズに違いない、と思ったけど、上がってきたのは超デカいモロコット!


この魚が釣れると、エリオスやホセの目の色が変わる。ランディングにもたついていると、有無を言わさず銛で突き刺して捕り込んだりするぐらい。それくらいこの魚は美味しいのだ。


そして、続くは手釣りのホセ。この旅初の「トルーノ」をキャッチした!この地では、ジャウーのことをトルーノと呼ぶ。なんか怪物チックな響きが好きで、僕の中ではジャウーよりもトルーノ。なぜかホセはカメラを向けると無表情に(笑)。


一方エリオスはというと、泳ぎ渡って大きな岩によじ登り、そこから仕掛けをブッコんでいた。モロコット狙いか、ライトなスピニングタックルでブッコんでいたところ、大きなナマズと思われるアタリ。「うわ、やべぇのきちまった」みたいな表情でファイトしていたけど、ラインブレイクしてしまった。


しかし、アマゾンのオトコの身体能力が凄すぎる。ロッドを咥え、激流・・・いや、ちょっとした滝と言ってもいいだろう。そのキワキワまで泳いで攻めていき、岩によじ登ったエリオスとホセ。間違いなく、ここで一番良いポイントだ。そこから仕掛けを流し、二人とも連発。エリオスが掛け、ホセが飛び込んでハンドランディング。


ホセも手釣りでモロコットを掛けた。次はエリオスが飛び込んで獲物を捕り込む。


戦いから帰ってきたアマゾンオトコ達と各自の獲物を持って記念撮影!


にしても、モロコットでけぇー。こう見るとホセの上半身くらいある。これでしばらくはルイの奥さんのモロコット料理を堪能できる!


ベルトに通したモロコットを頭から背負い、ティグレーとトルーノはエラから木の棒をぶっ刺して持ち帰った。ピライーバは現れなかったけど、大満足!


昼食を取りに、一度キャンプ地に戻ってきた。ルイの奥さんがご飯を作って待っててくれた。と、その前に、古田君恒例の「人の魚で記念撮影」大会、スタート(笑)



このナマズとにらめっこの写真、良いよね。


改めて、今日の獲物たち。あれだけ良さそうな激流で、意外とパヤーラの反応が少なかったことがちょっと気がかり。この魚たちは塩漬けして保存食となった。


午後はキャンプ地の近くを流れる支流へ向かった。ルイの話ではアイマラ(タライロン)がいるという。川幅は狭いが、凄まじく岩がゴロゴロしており、日本じゃまず見ることがないような川だ。


岩から岩へトン、トンと飛び移り、しばらく川を遡っていくと小さな滝が現れた。本流からトルーノが遡上し、この滝でストップするという。エリオスとホセは滝つぼに魚の切り身をブッコミ始めた。


本流同様、ここの川も全ての岩が流れに磨かれ、ピカピカ、ツルツルだ。水に濡れていたら一気に足をとられてズッコケる。そんな中、ホセは裸足で滝のギリギリまで攻めこみ、小さなジャウーを上げていた。


僕らはアイマラ狙いでミノーを巻く。しかし、アイマラの魚影は相当薄いそうで、代わりに小さなパヤーラが沸いていた。上流へ進むと川幅は狭まり、渓流魚が飛び出してきそうな流れに。そんなところからパヤーラがもんどりうって出る。相当面白い!


一投、一匹ペース。学さんも一緒に来ていたら、狂ったように釣りまくっていただろうなー・・・。




この日は一日釣りまくって、皆疲労困憊。夜のナマズ釣りに出ることはなく、各自早めに就寝となった。

【2014.3.29】ベネズエラ釣行12日目

 明けて、翌日。この日は前日と打って変わって、全く釣れない1日となった。朝一で昨日と同じ激流ポイントにやってきたけど、パヤーラ、不在。パヤーラ狙いならルアーで数投して反応が無ければすぐに見切れるんだけど、皆は餌のブッコミでのナマズ、モロコット狙い。ブッコミタックルをキャンプ地に置いてきた僕はやることがなくなって、無駄に水浴びをして過ごした。


その後ブッコミチームにも反応はなく、昼食後、一気に下流へ降った。迷走気味で、川の真ん中に点在する岩盤の島を転々とし、ブッコミをかけたり、ルアーを投げたり。古田君だけはブレずにクエ針仕掛けをブッコミ続けていた。


この日のハイライトは、エリオスが釣ったタイガーショベルノーズ!これは羨ましい一匹。


夕方キャンプ地に戻りながら、テキトートローリング。古田君が何本か釣って、銛で一突きランディング(笑)


 夜、眠気と戦いながらもブッコんだけど、ナマズからの反応は皆無。また明日から、頑張ろう。

ベネズエラ釣行記13日目に続く

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