翌朝、起きてみると川の水位が1m程上がっている。昨夜上流で雨が降ったようだ。「増水はバーグレイにもパヤーラにも好条件だ。釣れるぞ!」とルイが言う。早速、上流の激流ポイントに向かった。古田君、エリオス、ホセはナマズ狙い、僕は巨大なパヤーラ狙い。
いつもの激流ポイントにて1投目、CDマグナムを放り込み巻き始めると「ガン!」とアタってバレた。そのまま巻き続けると「ガン!」「ゴン!」最初のキャストでは結局獲れなかったけど、パヤーラ沸いてるぞ!一人歓喜しCDマグを投げ続け、釣って釣って釣りまくった。
ヒットルアーは全て、CDマグ14のレッドヘッドフラッシングカラー。タイの釣り具屋で買ってきてもらったもの。やはり光り物が大好きなようで、持って行ったCDマグの中で、このカラーが圧倒的に強かった。南米の牙魚狙いでは、持っていくルアーはラパラ8割プラスアルファでいいと思う。
パヤーララッシュに続き、激流を巻いていると「ゴン!」ときてトルクフルな引き。なんと、バーグレイ・ティグレー再び!意外と数いるのだろうか。ルイによるとこのナマズ、1mくらいになるらしい。パヤーラが多すぎて選んで釣ることはほぼ不可能だと思うけど、それぐらいのマックスサイズを手にするために、またこの川を訪れてもいいなぁ。
一方、チーム・ナマズ。エリオスは増水した流れを泳ぎ渡り、激流に手釣りで仕掛けを流している。古田君とホセもブッコミ続けるが、あまり反応は良くない様子。黙々とブッコミをかける古田君の隣で嬉々としてパヤーラを釣り続けていると、我慢できなくなったのか、「竿かして」と。
そして、1投目でキャッチ!パヤーラの誘惑を完全に断ち切らないと、この川では巨大なナマズには巡り合えないだろう。当時の自分には無理だった(笑)。
ひとりでひたすらパヤーラを釣り続け、大きな個体のみをキープしていった結果、こんな感じに。何匹釣ったか不明だけど、それでもメータクラスは出なかった。この激流の中に巨大なヤツも絶対にいるんだろうけど、全体数が多すぎて、なかなかメーターの壁は厚そうだ。
激流のパヤーラを釣り切り、反応が薄くなったところで一度キャンプ地に戻ってきた。僕が釣ったパヤーラは対岸の村へ運ばれ、コーラやタバコに化けた。インディオさん、釣りはしないのかな。自分で捕れば、パヤーラなんていくらでも手に入ると思うけど・・・。
エリオス達がインディオの村に行っている間、僕と古田君は小さな針を使って小魚釣りをやってみた。見た目は地味なやつが多かったけど、ポツポツといろんな小魚が釣れた。下流の町付近とは魚種が大きく異なってくるのが面白い。
でも、口元を見てびっくり。小さな牙が生えている!
昼食後、ハンモックでくつろいでいるとルイ達が何やらせっせと働き始めた。見に行ってみると、いつの間にか僕が作ってきたワイヤー仕掛けが全て持っていかれており(笑)、ナマズ用のはえ縄を作っているようだ。
テキパキとメインロープに20組ほどのワイヤー仕掛けをセットし、出船。ルイの指示で仕掛けを沈めていった。
皆がせっせと動く中、なにもしないフルーター(笑)
はえ縄を入れ終わり、夕方、再び激流ポイントに入りなおした。午前中程の爆発はなかったけど、飽きない程度に良型のパヤーラが釣れ続ける。CDマグナムを温存するためFマグナムに変えてみたが、これもまた良い。
夕方だけで10匹程追加。今日だけで何十匹釣っただろう・・・それでも、メーター級は姿を見せなかった。
激流ポイントでエリオスと釣っていると、下流へ行っていたホセが僕らを呼びにきた。「アットゥーシがトルーノを釣ったぞ!」古田くんと合流すると、船に70㎝程のトルーノが転がっていた。既ににホセによって撲殺されていたけど・・・
良い顔してるな。初トルーノ、おめでとう!
激流ポイントではホセとエリオスにもトルーノと思われるアタリがあったが、どちらもラインブレイク・・・。増水の効果が出始めたのか、ナマズからの反応が増え始めた。ここで激流ポイントを後にし、以前にアイマラ狙いではいった小さな支流へ移動した。増水によってナマズが遡上しているかもしれない。魚止めの滝に向かってFマグを投げていると、竿先を石で殴られたような、異質なアタリ。直後、物凄いパワーで激流を走る。あまりの力強さに「これ、パヤーラか!?」と呟くと「トルーノ!!」とホセが叫んだ。古田君が尻尾を掴んでランディング!
サイズは1m程、トルーノとしてはまだまだ中学生サイズといったところか。でも、こんな出会い方想像もしていなかった!本当に嬉しかった一匹。
トルーノ、良いナマズだ。いつかこのナマズの巨大なヤツを捕りに、この川に帰りたいと思う。ルアーを追う性質、エリオスやホセの独特な手釣り、ピラニア無し・・・この地でのトルーノの狙い方がちょっとわかった気がする。
Fマグのボディを確認すると、しっかりとトルーノの歯型が入っていた。フロントアイが真横にネジられ、スプリットリングが伸ばされかかっている・・・さらに、なんと、ST66の溶接部分が捻じられたことによって(?)折られていた・・・!(写真右下部分)
トルーノとともに川に浸かりながら写真を撮っていると、胸やお腹にチクチクとした痛みが走る。なんだ?と思って確認すると・・・カンディルだ!何匹ものカンディルが僕の身体に食いつき、「キュッキュッキュ」と体をねじらせている。しばらく観察していると、トルーノの体表にもたくさんのカンディルが集まり始めた。皮を食い破って、体内に侵入しようとしているのだろうか・・・?
日が暮れてから、昼間に仕掛けたはえ縄を上げにいってみる。夕方のナマズラッシュに期待が高まるが、結果はピライーバもどき、ブランコ・ポーグレー一匹のみだった。ピライーバへの道のりは遠い。
キャンプ地に戻り、日が暮れてからはカエル探し。砂浜に住むヒキガエルの赤ちゃんを発見し、
ハンモックを吊るしている木からは緑色のカエルが落ちてきた。
夕食後、ハンモックに揺られながら今日の釣りの余韻に浸る。ホントに楽しい良い一日だった。10日間の遠征は後半戦にさしかかり、明日はプラージョン最終日。明後日はここを出発し、川を下り始める。明日からも古田君はピライーバの幻影を追い続けるだろうし、僕は巨大なパヤーラを求めてルアーを投げ続けるつもりだ。
ベネズエラ釣行記13日目に続く
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