翌朝、荷物を再度船に積み直し、最終目的地の「プラージョン」に向け出発した。少し雲行きが怪しいが、雨が降るとナマズにもパヤーラにも好条件だとルイは言う。
ここ数日パヤーラからの牙攻撃を受け続けた僕のCDマグナム11のお尻が裂け始めていた(よくある)。「貸してみなさい!」とルイ。タックルボックスから取り出した塗料を塗り固め、補修してくれた。
見た目はイビツだけど(笑)、アクションは問題ナシ。これもこの後さらに破壊されて、結局お尻をPEラインでぐるぐる巻いて瞬接で固めることになったけど・・・(この旅以降、ラパラのお尻はPEラインで強化するようになった)。
今日は基本的にノンストップで川を遡り続ける。お昼頃、昼食をとるためにボートを岸につけた。早速周辺の流れに探りを入れていくと、パヤーラをキャッチ。ルアーは先ほどルイが直してくれたCDマグナムだ。
しかし、他にはパヤーラからの反応はなく、岩場をぐるっと一周して船まで戻ってきた。すると、エリオスがナマズをキャッチしている。紫色の艶が美しい、かっこいいナマズだ。現地名は「バーグレイ・ブランコ」とか、「ブランコ・ポーグレイ」とか(似たようなナマズが何種類かいる模様)。ピライーバに見えなくもないけど、なんかちょっと違うよね。
そろそろ出発するか、というところで、次はホセが何か掛けた。手釣りで魚の切り身をブッコんでいたのだけどパヤーラではなさそうだ。岩に擦れて切られないように慎重にファイトしている。
そしてずりあげたのは、オリノコ・レッドテール!この川にもいるんだ!胸鰭を動かし、「ブギュ、ブギュ」と鳴く。可愛い。
チャームポイントのレッドテールはもちろん、ブラックウォーターに染まる肌も美しい。
その後もパヤーラに良さそうな激流ポイントを駆け抜けて、夕方、ようやく最終目的地に着いた!!「ここがピライーバの棲むポイントです。」と古田君。彼は前回ここを訪れた際、ロッドスタンドから竿が抜けないようなアタリを経験したという。ベネズエラにピライーバがいるかどうかは知らないけど、僕たちはその幻影を追ってここまでやってきたのだった・・・パヤーラに夢中になりつつあり、忘れかけていたけどね(笑)。
僕らがキャンプ地に選んだのは、滝からほど近いちょっとした砂浜。船に積み込んである荷物を全て運び終え、キャンプ地設営はエリオスとホセに任せ、僕らは早速仕掛けをブッコんでみた。キャンプ地前は流れはほとんどなく、仕掛けはライトなお遊び感覚。古田君が小さな牙魚を釣ったあと、
僕の仕掛けに小さなナマズがヒット。髭、長っ。
置き竿にしていると、ジジジと糸が引き出され、軽くアワセをいれると結構引く。釣れてきたのは、これまた髭の長いナマズ。セルフィンキャット Perrunichthys perrunoだ!ブラジルではジュンジアと呼ばれているが、ベネズエラではジャッキーと呼ばれていた。
そしてキャンプ地設営を終えたエリオスとホセと共に、船で激流域に突撃、ブッコミをかける。予想はしていたが、やはりここでも根掛かりとの戦いとなった。当時は、アマゾンのナマズブッコミ経験ゼロからのスタートだったため、右も左もわかっていなかった(というか、釣れない釣りを我慢する余裕がなかった。アマゾン、ルアー投げれてれば何かしらが釣れるから・・・)。
頻発する根掛かりに心が折れそうになっていた時、古田君の竿が曲がった。最初は根掛かりかと思っていたが、「あれ、これ魚じゃね?」・・・上がってきたのは、コロコロした可愛いドラスの一種!これは羨ましい一匹。
夕食の後、再びエリオスと共に夜の川へ繰り出した。川の真ん中に顔を出す岩に船を乗り上げる形で留まり、激流に仕掛けをブッコむ。しかし、ナマズからの反応は一度もないまま、夜は更けていった。
これといった反応は得られず、キャンプ地まで戻ってきた僕たち。まだまだできることはある、と、キャンプ地前の砂浜から仕掛けをブッコみ、星空を見上げて寝転がった。対岸にはインディオの村があり、発電機があるのか、灯りが見える。
夜になるとカエルが出てくる。砂場を好んで暮らしているようで、同じ種類のカエルが何匹も姿を見せた。
その後も結局アタリはなく、とりとめのない話をしつくして、眠くなった僕らはハンモックに揺られた。明日から本格的に始まるピライーバ戦線に向け、静かに闘志を燃やし・・・いや、僕は、巨大なパヤーラを捕るまでルアーを投げ続けることをこっそり心に決めたのだった(笑)。
ベネズエラ釣行11日目に続く
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